【二人で耳かき】道草屋-いね たび-おひる。【176khzハイレゾ】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(R-15指定)。

今回紹介する作品は、冬のとある晴れた日の午後を舞台に
ほぼ正反対の性格を持つ2人の女の子が癒しのサービスを提供します。

シリーズでは初の2人が同時にお世話してくれる展開
お客のいる場所や彼女たちとの距離に合わせて小まめに変化する声や音など
道草屋に実際にいる気分を味わわせてくれる要素がたっぷり詰まっています。
2人の女の子に囲まれながら過ごす癒しのひと時
道草屋の店員「いね」と「たびらこ」から3種類のサービスを受けるお話。

「あ… いらっしゃいませ お待ちしておりました」
いねは穏やかでのほほんとした声の女の子。
「すみません お部屋のご準備に少々手間取っておりました」
たびらこは明るくて清らかな声のお姉さん。
遠路はるばる道草屋へやってきたお客に2人揃って挨拶すると
荷物を持ってサービスを行う部屋へと案内します。

本作品は部屋に移ったあと冷えた体を足湯で温め
それから彼女たちにマッサージと耳かきをしてもらいます。
道草屋シリーズは今まで6人の店員さんが基本的にはお客と一対一でお世話をしていたのですが
今回は足湯を初めて行うため、特別に2人が一緒になって全部のサービスを行います。

終盤に登場する耳かきシーンでは左右から別々の効果音が同時に鳴る面白い演出も登場し
両手に花の気分に浸りながら耳に心地よい感触を楽しむことができます。
声や音に終始包まれ続ける癒しに満ちた空間が形成されています。

いね「旦那様 薄着ですねぇ」
たびらこ「そうですね 山間は平地より冷え込みますよ」
最中に交わされる彼女たちの会話も大きなポイント。
いねはのんびりマイペース、たびらこは世話好きなしっかり者と性格が大きく異なり
それぞれの持ち味を活かしたセリフや仕草で別方向から癒しを与えてくれます。

2人は小学校からの長い付き合いですから息もピッタリ。
彼女たちの何気ない言葉の数々から仲の良さが自然と伝わってきます。
専門店よりは友達の家にいるような和気藹々とした雰囲気が漂っています。

道草屋シリーズのもう一つの特徴である効果音も忘れてはいけません。
今回は過去作で培ってきた音質の高さに加えて位置や距離にこだわった演出が数多く盛り込まれています。
具体的にはお客のいる場所に合わせて周りの音が小まめに変化します。

それこそ秒単位で切り替わるくらい精密に作られているのが素晴らしいですね。
聴き手ができるだけお客になりきれるような配慮が随所にされています。
キャラと音を最大限に活用した質の高いサービス
部屋に移動してから最初に行うサービスは足湯。
縁側に予め用意しておいた専用の桶に足を浸し
いねが前から足を揉む係、たびらこが後ろから肩や手のひらを揉む係を担当します。

いね「(足指の間に)ビー玉とか 挟んだりしますよねー 浮かんでるゆずとか」
たびらこ「…挟めるの?」
ちゃぷちゃぷと水が揺れる足のマッサージ音だけでなく
拳でとんとんと叩く、手のひらでゆっくり擦る、指先で押す肩のマッサージ音もしっかり入っており
最中はそれらを行いながら2人が足湯に関する何気ない会話をします。

道草屋シリーズは元々専門店によくある堅苦しさが薄い作風だったのですが
今回はそれに輪をかけてほのぼのとした空気を感じます。
他にも一部のシーンで他の店員(芹とすずしろ)の話し声が遠くから聞こえたりと
道草屋で実際にのんびり過ごす様子をそのまま音声にしたような自然さがあります。

前項で説明した効果音に関する演出もこの「自然さ」を大いに助けています。
例えば部屋に入ったと同時に時計の振り子の音が鳴り始め
縁側に移動するシーンでは中央やや奥だったのが一気に左手至近距離に移動し、すぐさま遠ざかります。
ひとつひとつのシーンに対して最適な音を用意するきめ細かな作りが非常に印象的でした。

足湯を終えて少し休憩を挟んだ次に登場するのは背中や足のマッサージ。
うつ伏せになったお客にいねが足から、たびらこが首筋から手を使って丁寧に揉んでいきます。

いね「お店の人 みんなで揉んだら 楽しいかもですねぇ」
ここも2人いる長所を活かして別々の効果音を同時に鳴らし
さらには最終的にはいねが頭、たびらこが脹脛とお互いの位置が入れ替わるように進めます。
当然のように彼女たちの声の位置や具合も切り替わりますから
近づいたり遠ざかっていく感覚がとても味わいやすくなっています。
シンプルなサービスにちょっぴり変わった要素を取り入れて個性を生み出しています。

十分に体が温まったところで最後に登場する耳かきはおよそ30分30秒間。
横になったお客に2人が左右で添い寝し、耳をタオルで拭いてから耳かき棒と綿棒でお掃除
軽く息を拭きかけた後に甘噛みで優しくマッサージをします。

耳かき棒は「そりそり ずずっ」と乾いた軽い音
綿棒は「ぷすぷす しょり」とふんわりした柔らかい音が使われており
前者はゆっくり掻き出したり耳の壁を小刻みに優しく引っかく
後者は前後にゆっくり出し入れしたり回転させたりする動きをします。
寝ながら聴いても耳に響くこともないですし、かなりリアルな音と言えます。

何よりこれらを左右同時に行っているところが非常に面白いです。
実際にやったら危ないと思う人もいるかもしれませんが
「音を聞かせる」という意味では有効な手段ではないでしょうか。
左右から別々の刺激を感じるのはやはり心地いいものです。

たびらこ「ちゃんと 栄養を考えたお食事 してますか?」
いね「好きなのだけじゃ ダメなんですよー」
たびらこ「そうそう …いねさんもですよ?」
そして耳かきをしながら交わされる2人の何気ない会話も心を潤します。
道草屋シリーズは耳かき中の会話量が多い傾向を持っており
彼女たちの良さを引き出しながら上手に癒しを与えてくれます。

まったく違った特性を持つ2人の店員が登場し、それぞれのやり方でお客をもてなす。
その一部始終を様々な効果音を交えながらとてもリアルにお届けしています。
ほっこりしてくる作品
道草屋にいる気分が味わいやすい癒しに満ちた作品です。

いねとたびらこの性格を踏まえながらシーンごとに役割を切り替え
サービスや様々な会話によってリラックスさせてくれます。
従来の作品に比べて店員さんのセリフの途切れる時間が少なく
シーンごとに小まめに変化する音声の位置も相まって
聴いている間は別の場所にいるような感覚が自然に湧いてきます。

たびらこ「安心しちゃいますよね 隣に誰かいると」
この作品で特筆すべき点はやはり彼女たちのキャラにあると私は思います。
客と店員が一対一で接する場合、立場の違いからどうしても多少の距離が生まれます。
しかし本作品ではいねをお客と店員の中間あたりの位置に据えて
両者の橋渡しといいますか、関係をよりスムーズにしています。

彼女たちが個々にサービスをしてくれていたときよりも堅苦しさがなく
より安心して聴けるように感じられました。
サービス自体は従来とそこまで大きな違いはありませんが、雰囲気はパワーアップしているなと。
聴いていると自然に眠たくなる人がそれなりにいるでしょうね。

サービスについては足湯が珍しいものの
お湯が揺れる音が鳴るくらいなので音のインパクトは弱めです。
以前の作品にあった囲炉裏や鉄瓶の音が再登場しても良かったかもしれません。
耳かきは意識的にゆっくり動かして音の違いを楽しみやすくしています。

人の温もりが感じられる今の季節にぴったりな作品です。
総時間76分に対し価格が800円とコスパも良好。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは6本目の満点とさせていただきました。

CV:いね…真宮ひいろさん たびらこ…愛枝今日子さん 芹…雁庵うずめさん すずしろ…餅よもぎさん
(後の2人はバックでたまに声が聞こえるちょい役です)
総時間 1:16:39

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
コスパがいいので+1してあります。