催眠道化師~きみは私のオモチャなんだから♪~

サークル「礼門屋」さんの催眠音声作品。

前作「催眠吸血姫 ~わたくしの家畜になるがいいのだわ~」から実に3年8ヶ月ぶりの新作となるこちらは
道化師の格好をしている精液大好きなサキュバスが
催眠を使って主人公の体を操りながら2種類のエッチをします。

聴き手に敢えて抵抗心を抱かせ、それを逆手に取った手法で催眠を深めてくれるのが特徴で
彼女はわざと筋肉を硬直させて暗示を受け入れにくい状態を作り
相手が十分に疲れたのを見計らって自分の声に気持ちよさを感じる暗示を入れてきます。
道化師からのとってもエッチなプレゼント
淫魔のマリオネロンに催眠をかけられてから精液を搾り取られるお話。

「あっ! 美味しそうな男を見つけちゃったー」
マリオネロンは明るくて元気な声の女の子。
偶然見かけた主人公を「ラッキーヒューマン」に選ぶと
彼が喜びそうなサービスを早速してあげます。

彼女は挿し絵の通り道化師のような変わった格好をしており
その見た目と愛嬌のあるキャラで人間の男たちを魅了し
サキュバスの食料とも言える精液を奪っているそうです。
キャラにちなんで奇術的な要素を催眠に絡めてくると期待していたのですが
催眠やエッチは普通の人間が行うスタンダードなもので統一されています。

「お前はただの人間で 私はこわーい化物なんだから 当たり前じゃん あはははは」
そして彼女は冒頭のやり取りをする段階でこちらを見下すセリフを投げかけ
自分に対してわざと抵抗感を覚えるように仕向けてきます。
催眠は聴き手と術者の信頼関係が最も重要ですから
それとは真逆の言動をとるのはある意味無謀と言えます。

しかし彼女にとってはそれらすらも織り込み済み。
抵抗しようとする相手の心理を逆に利用しながら催眠を進めようとします。
かなり珍しいコンセプトの作品ですね。

催眠はおよそ21分間。
最初は彼にハンデとして、カウントに合わせて手足の筋肉に力を入れるよう指示します。
これは人間が緊張している時ほど他人の言葉を受け入れにくくなる性質を踏まえてのことです。

「指を握ると 左手にも力が入って伸びる 左腕がまっすーぐに伸びてゆく」
そして彼女はそれらを行うのに合わせて
こちらの手足がより硬直するよう暗示を入れてきます。
おそらくはカタレプシーの誘発を目的として行っているのでしょう。

ですが先ほど説明したように冒頭シーンで暗示を受け入れにくい精神状態を作り上げていることや
暗示の入れ方、特に語気や話すスピードが硬直を誘うには弱く遅いことから
彼女の言葉に合わせて手足がガッチリ固まる人はそこまでいないと思われます。
少なくとも私はさっぱりでした。

また左手→右手→左足→右足の順にやるのですが
これらの硬直を解くまでにおよそ5分もの時間をかけています。
その間力を入れ続けていたら当然疲れるわけで、こういった部分の配慮に欠けているのも疑問です。
せめて固めたり緩めたりを1箇所ずつ別々に行ったほうが良かったかなと。
皆さんの無理のない範囲で取り組んでみるのがいいでしょう。

「どこまでも抜けていく ピンと伸びていた手足がぐにゃぐにゃになる 目からも手足からも力が抜けきってしまう」
ただし、これらを行った後に手足の緊張を解除するシーンでは
疲れによる脱力感やリラックス感がそれなりに得られます。
彼女も意識的に声を穏やかにして自然に力が抜けるよう後押しします。

体の抵抗を解いた次は心。
目を瞑った瞼越しに見える部屋の天井をイメージしながら彼女の声に耳を傾けます。

「君は私の声を聞いていると 頭の中に思い浮かべたイメージが薄れていって どんどん意識が遠ざかっていく」
「意識が遠ざかって行くと私の声だけが聞こえてくる 私の声を聞くのがとても心地よい このまま聞いていたい 私の声がとても愛おしい」

体に生まれた脱力感による心地よさと彼女の声を聴いている状況を結びつけ
「彼女の声=心地いい」と感じさせるように言葉を投げかけてくれます。
ですがここでも聴き手の抵抗感を逆用するアプローチは特にされておらず
半ば強引に催眠に落とそうとしています。

例えば「私の声を聴いていると催眠に入っちゃうから気をつけてね」と
注意を喚起する形で暗示を入れていく、なんて方法を取っていればまた変わっていたでしょう。
簡単に言うと催眠のコンセプトと進め方があまり噛み合ってないと私は考えています。

体と心の緊張を誘い、緩んだのに合わせて暗示を入れていくシンプルな催眠です。
聴き手を自分の言う通りに行動する人形にすることを目的に
予め自分に抵抗を感じる言葉を投げかけ相手の行動を制限してから
その願望を叶えさせる形で進めています。

一般的な催眠音声とは真逆のスタイルなのが面白いですね。
ですがこの内容で催眠に入れるかと言われると正直首を捻ります。

「さあ パンツに手がかかっていく 手がかかると一気に下ろす 窮屈になったオチンチンを楽にしたくてすぐ下ろす 勢い良くパンツを下ろしていく パンツが降りてオチンチンがポロンと出てしまう…」
「はいっ! 今 君のオチンチンは私に見えるようにでちゃいました!」

本作品の致命的な部分としてまず挙げられるのが暗示の表現です。
マリオネロンは催眠からエッチの最後に至るまで
上のセリフのような非常に固い口調や表現で暗示を入れています。
聴いた限りでは催眠の教本に出てくる暗示の例文に近い表現が多数使用されています。

道化師は人を楽しませるのがお仕事ですから
奇妙だとか、おちゃらけているキャラであるのが自然です。
ですが彼女はまるで学校の先生のような堅苦しい態度で催眠をかけてきます。
そして催眠以外の会話をする時は元のひょうきんな口調へと戻ります。

このセリフの大きな落差が作品全体に強い違和感を生み出しています。
彼女が催眠を施しているのだから彼女らしい口調で暗示を入れてほしかったです。
他には全編に渡って彼女の話すペースがほぼ一定なのも気になります。
緩めるところは緩め、締めるところは締めるからこそ聴き手の心に響くのです。
使われている技術が道化師とまったく関係がないところも非常に残念です。

まとめると、テーマは面白いのだけど進め方はいまいちな催眠です。
寸止めを交えた2種類のエッチ
エッチシーンは2パート50分ほど。
プレイは玉舐め、フェラ、パイズリ、オナニー、擬似SEXです。

エッチな効果音はありません。
セルフは有りになります。

「ふふっ 大丈夫だよぉ? 今から私が少しずつ君の感覚を開放していってあげるからねぇ?」
催眠を使って主人公を自分のマリオネットへと作り変えたマリオネロンは
より良質の精液をいただくための手始めとして彼のタマタマを舐め始めます。

エッチは身動きの取れなくなった彼を彼が責めたり指示を与えます。
最初のドライパートは軽い感度強化をした後に玉・竿・亀頭を舐め
最後におっぱいで挟み込んでフィニッシュするプレイ。
催眠音声らしくカウントと暗示を駆使してプレイの様子や快感を伝えながら進めていきます。
そして合間に若干の焦らしを加えて心と体の興奮を高めようとします。

ちなみにドライパートとなっていますがフィニッシュには射精表現があります。
ですからウェットパートと呼ぶほうが妥当でしょう。
物理的な刺激を一切加えない射精ですので完遂するのは相当に難しいです。

「私の舌が伸びていく 君のタマタマに伸びていく タマタマに舌先を当ててペロペロしていく ペロペロされるととてもくすぐったい くすぐったくて腰が震える 腰が浮いちゃうほどくすぐったい」
最中の暗示が堅苦しいのが気になりますが、進め方自体は丁寧です。
ただしプレイの説明やセリフが多いおかげで実際のプレイをする時間がかなり短くなっており
結果的に純粋なエロさがかなり弱くなってしまっています。
フェラの時も暗示の合間に10秒程度ちゅぱ音を鳴らす感じです。

「私は君をゾクゾクとした気持ちにしようと オチンチンの裏側を タマタマから先っちょのカメさんにかけて 登るように舐めていきましたっ…♪」
他にも彼女が話しているにもかかわらず、官能小説のような表現のセリフがあるのも疑問です。
催眠は聴き手に自分のことのように思わせるセリフを投げかけるのが有効です。
ここでも催眠と同じくセリフの表現が大きく足を引っ張っています。

もう一つのセルフパートも基本的な進め方は一緒。
おちんちんの感度を上げ、カウントの後に握ってから
最初はゆっくり、しばらくすると一旦停止しその後速めにしごきます。

「さあ 私がゆっくりと腰を下ろしてオチンチンのカメさんをオマンコに入れ始めました。とっても暖かくてくすぐったい 思わず背中が震えてしまう 気持ち良すぎて 精液どころかおしっこまで出てしまいそうです…」
ここでは後半に彼女と騎乗位でSEXするイメージを絡めた珍しいオナニーが登場します。
喘いだりはしないのでもう少しエロさが欲しいところなのですが
彼女がより気持ちいい射精ができるようにと暗示でサービスしてくれています。

※重要※
セルフパートのフィニッシュシーンに彼女がカウントダウンをするのですが
その際に「3、2、1、0」を「3、2、10」と間違って読み上げる箇所が確認されています。
発売から4ヶ月が経った現在も修正されておりません。


このように、暗示で心と体を操作する催眠色の強いプレイが繰り広げられています。
色々と惜しい作品
催眠の序盤から中盤にかけて行われる抵抗心を呼び起こしてから落とす流れが印象的な作品です。

マリオネロンは主人公がそうやすやすと自分の言う通りにはならないことを察知し
敢えて彼の気持ちを汲みながら催眠を進めていきます。
催眠音声はまず聴き手に良く思ってもらおうと働きかける作品がほとんどですから
本作のような捻ったスタイルでの誘導は個性的であり面白く感じます。
道化師が見せる奇術のような不思議さを感じる人もいるかもしれませんね。

しかし実際に催眠を始めた後はここまで書いてきたように問題点が多々あります。
全体を通じて強く感じられる暗示表現の硬さ・歪さを初め
聴き手の意向・願望よりも自分の意思を優先するシーンが見られたり
エッチにおける言わば機械的・作業的な進め方などが主な要因です。

催眠は聴き手をもてなす行為ですから
常に相手の興味を引き、楽しませながら催眠やエッチを進めるのが望ましいです。
聴いてて楽しくなかったら当然集中力は落ちますし言葉に耳を傾けてはくれません。
残念ながら本作品にはその最も重要な部分が決定的に欠けていると私は考えています。

催眠はコンセプトはかなり面白いです。
似たようなスタイルで催眠を進める「催眠ゲーム ~術師の挑戦~」という名作もあります。
だからこそ形になっていないのが惜しく思えます。
疲労による意識のぼやけを感じることはあっても催眠特有の感覚は得にくいです。

エッチはこれから行うプレイを説明し、カウントを数え、暗示を入れるのを繰り返します。
催眠としてこの進め方は正しいのかもしれません。
ですが結果的に抜きにくい雰囲気が出来上がっているのはどうかと思います。
淫語そこそこ、ちゅぱ音ごく僅か、喘ぎ声はありません。

以上のことから今回は非常に厳しい点数とさせていただきました。
サークルさんの「本格的な導入」に期待していただけに本当に残念です。

CV:水谷六花さん
総時間 1:31:15

オススメ度
■■□□□□□□□□ 2点


体験版はこちらにあります