(催眠音声)絶対幸福概念~天使達の福音~

サークル「キャットアイランド」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する同サークルさんの処女作は、心優しい天使たちに導かれて
様々な場所を経由し桃源郷へと向かうイメージをしながら心を癒します。

聴き手が心置きなく現実逃避し安らぎを得られるようにと
イメージの内容から一つ一つの言葉まで全てが心にプラスに働く要素で統一されています。
彼女たちの穏やかで落ち着いた声も相まって
聴いている間は特に心にぽかぽかしたものを感じるでしょう。
心優しい天使たちと癒しの世界へ
守護天使たちに癒しの催眠をかけてもらうお話。

「こんにちはー 聞こえるかな? こんにちはー」
守護天使は明るく穏やかな声の女性。
「うふふっ もうちょっとで繋がるよ」
もう一人の天使は明るくて元気な声の女の子。
主人公の脳に直接語りかけ、自分たちが何者なのかを説明すると
彼ともっと強く繋がるためのおまじないをかけてあげます。

本作品はサークルさんが「瞑想ドラマCD」と謳われているように
物語の中に様々な催眠の技術を織り交ぜることで
日常生活に疲れている人でも安心できるひと時を提供します。

キャットアイランドさん自体は今回が初の催眠音声になるのですが
催眠音声では老舗中の老舗であるキャットハウスさんがシナリオを監修されています。
今から11年前に発売された「赤いリボンのリコ」など数多くの名作を手がけている方です。

実際に聴いた私もその完成度の高さに驚きました。
最初から言ってしまうと処女作とは思えないほどにレベルの高い作品です。

本作品における最も大きな特徴は術者が常に2人いることです。
こう書くと最近流行っている双子系の作品をイメージするかもしれません。
しかし本作品の場合は守護天使がメインの語り手/術者を務め
それにもう一人の天使が相槌を打ったり追加の暗示を入れるスタイル
で行われています。

メインの術者とサブの術者がいると言えばわかっていただけるのではないでしょうか。
双子とはまったく違うかなり個性的な作風です。

催眠は2パート44分ほど。
最初の「導入(被暗示同調)」パートは催眠に入りやすくするための下準備として
守護天使が自分の体に手を触れているイメージをしながら深呼吸をし
言われた部位の力が抜けいくのを感じます。

「私の両手が あなたの両腕にそっと触れる 両腕の力がさらに抜けていく」
「私の両手が あなたの両手をそっと包み込む 安心感に包まれていく」

全身を一通りなぞるように行ってからいくつかの部位を再度重ねて行う2段構えの脱力や
天使のような穏やかな声で脱力感と同時に安らぎを感じさせようとする暗示によって
聴き始めてしばらくするとなんとなく体が温かくなっているのを感じるでしょう。

本作品の最終目的は心身の癒しやリフレッシュにありますから
こちらが嫌に感じる言葉を彼女が言ってくることは一切ありません。
それどころか「幸せ」「安心する」といった心にプラスに働く言葉を至るところで何度も投げかけてくれます。

催眠の技術についても前半は意識的に深呼吸を多くしていたりと
聴き手がリラックスし、イメージの世界にどっぷり浸かれるよう考えながら進めてくれています。
天使の声や言葉、イメージの内容などすべての要素が癒し一色ですから
雰囲気的にも温かいものをきっと感じるでしょうね。
幻想的なイメージと数多くの愛の言葉に包まれながら
続く「本編」パートはさらに心を落ち着け、催眠を深めながら幸福な場所の代名詞とも言える桃源郷を目指します。

「目を閉じた 綺麗な金色の蝶たち あなたを祝福する」
一番最初に登場するのは金色の蝶。
それらが放つ金色の光を体の中に取り入れるイメージをします。
並行して幻想的な効果音が鳴るなど雰囲気作りもしっかりしています。

「ゆっくり ゆっくり あなたの中へ ゆっくり ゆっくり 心の奥へ 流れるように満ちていく」
そして守護天使は「ゆっくり」「ゆったり」を意識的に多く織り交ぜながらそれら描いていきます。
まだ催眠が始まったばかりということでいきなり桃源郷には案内せず
リラックスを重視しながら段階的に誘導する丁寧な催眠が繰り広げられています。
本作品では多くのシーンでイメージの特徴を踏まえた癒しの暗示を的確に入れてきます。

2番目に訪れる場所は緑豊かで静かな湖畔。
周りに生い茂る木々を眺め、あたりに落ちている幸せの実を拾い
しばらく歩いた先にある木になっている桃を食べ、最後に近くにある小屋へと向かいます。

「拾い上げてみると 幸せの種は すーっと 心の中に染み込んでいく」
「浄化されていく」
自然に囲まれるイメージ自体が都会に暮らす人には癒しの対象になりますし
最中に紡がれる言葉もその気分を上手に後押ししています。
桃の実を食べるシーンは描写がしっかりしているので唾液が湧いてくる人がきっといるでしょう。
それと同時に手足の重さや意識のぼやけがだんだんと強くなるのも実感できます。

「近づいていくと だんだんと だんだんと そう だんだんと」
個人的に最も印象的だったのが小屋に歩いていくシーン。
「○メートル」と距離を伝える形でカウントダウンをしていくのですが
彼女は上のセリフのように近づくとどうなるかを敢えてギリギリまで言わずにおきます。

で、私の場合はここで一気に視界がぐらつく感覚が襲ってきました。
レビューでは非常に伝わりにくいところなんですけど
彼女は遠まわしに深い催眠に入るよう促してくれているんです。
聴き手にそう感じさせる雰囲気を見事に作り上げていることに正直驚きました。
ここだけは実際に聴いていただくのが一番わかりやすいです。

「とても前向きで素晴らしいあなた 毎日 あらゆる面で ますます良くなっていくあなた とっても魅力的なあなた」
「あなたのことを愛してる 愛してるよ とっても愛してる 世界中の誰よりも 深く 深く 愛してる」

無事小屋に到着した後はそこにいる主人公の恋人と愛を語らいます。
彼女の言葉も思いやりに溢れたものばかり。
作品を聴き終えた後も溌剌とした気分で毎日を過ごせるような暗示を入れてくれます。

本作品は最後に寝る形で終わりを迎えるので解除と呼べる音声が存在しません。
だからこそ聴いた後のことも見据えて暗示の表現を慎重に選んでいます。

「あなたは いつでも天使たちに守られていたことを実感することができる そしてこれからも とっても幸せ」
「幸せって文字を思い浮かべるたびに 君は幸せになれるね」

そうやって様々な場所で少しずつ癒しを得た後
最後の最後にようやく彼女たちの住む天国や桃源郷へと到着します。
幸せになるために来ただけあって「幸せ」を言うシーンがとても多く
言葉のイメージや雰囲気につられてよりいい気分になるのを実感するでしょう。

このように、癒しや安らぎに満ちた催眠が繰り広げられています。
心をとことんまで温めてくれる作品
最初から最後までどこを聴いても癒し一色な温かい作品です。

2人の天使がいくつかのイメージを語りながら
それぞれのシーンで雰囲気に合った暗示を的確に入れて催眠状態を少しずつ深めてくれます。
世間一般的な催眠音声とはかなり違ったスタイルでの誘導をしてくれますから
催眠音声を聴き始めた人はもちろん、百単位の作品を聴いている玄人も新鮮な気分で楽しめます。

「あなたの魂は 永遠の生命なのです」
「広がる生命 宇宙」
本作品において最も感銘を受けたのは彼女たちが紡ぐ言葉の美しさです。
どのシーンでもイメージに適した言葉を用意し
それにキーとなる暗示を上手に絡めて効果的に催眠を進めています。

要は催眠の技術や暗示にイメージを当てはめるのではなく
イメージに適合するようそれらをアレンジしているのです。
これは少なくとも新規のサークルさんにはそうそうできることではありません。
イメージと催眠がマッチしているから作品の世界に浸りやすいです。

天使役を務める誠樹ふぁんさんの演技も本作品の魅力を引き出しています。
各シーンにあるキーワードを特に気をつけながら思いを込めて語る演技は
やはり催眠を知っている方でないとできないことだと思います。
天使のイメージにぴったりな声や口調もテーマの癒しにしっかりマッチしています。

十分な個性を持ちつつ充実した癒しを与えてくれる作品です。
心身をリフレッシュしたい人、安眠を求めている人には特におすすめします。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 58:45

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります