サークル「F・A・S」さんの無料の催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、ジョジョの奇妙な冒険第6部に登場する「エンリコ・プッチ(プッチ神父)」が
催眠を使って幸福になるためのお手伝いをしてくれます。

元ネタがあることを踏まえてそれを強く意識した演出が数多く盛り込まれており
彼はお馴染みのセリフを言って緊張を解きほぐしたり
スタンド能力を交えた暗示で聴き手に勇気や希望を与えようとします。

ちなみに私は第6部に関する知識をネットで調べた程度しか持っていません。
原作を知る方にとっては見当違いな事を言っている箇所があるかもしれないことをご了承ください。
天国に行くための条件とは?
プッチ神父の催眠で幸福になるお話。

「君は 人と動物の違いとはわかるかい?」
プッチ神父はややトーンの低い落ち着いた声の女性。
人と動物の違いは「天国に行きたいと願うことができる」ことだと主人公に説くと
天国に行くために何をすればいいのかを教えてあげます。

本作品は催眠音声では非常に珍しい二次創作物にあたり
原作に忠実なキャラや言い回しをしながら彼が心にプラスに働く催眠をかけてくれます。
彼が言うところの天国とは死後の世界のことではなく
精神的に充実している、つまり幸福であることを指すそうです。

そして彼は天国に行くための大切な要素として
「信頼できる友」「リラックス」「14の言葉」の3つを挙げています。
最後の14の言葉は原作を知らない人にはピンと来ないでしょうが
前の2つは催眠においてもとても重要な要素です。

ネタ色が強いからといって別段催眠がいい加減なわけではありません。
むしろ好きだからこそ上手に活用しながら催眠を進めています。


「人に対し何かをしてあげるということは全て「見返り」を期待しての行為だ 人に親切にするのは自分も親切にしてもらうためであり 無償の愛というものは存在しない 無償の愛とは天国へ行くための「見返り」だからだ」
原作にあった名台詞が頻繁に登場するのもポイント。
それらを知っている人ほど彼の言葉に集中できるでしょうね。
彼はもちろん、友人であるDIOのものも若干ですがありました。

催眠はほぼ全編にあたる38分間。
事前に軽く深呼吸をしてからまずは彼が数える素数と言葉に耳を傾けます。

「さぁ 心を落ち着けよう… 『素数』を数えて落ち着くのだ… 『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…君に勇気を与えてくれるだろう」
「数字が大きくなっていくたびに 少しずつ心が落ち着いてくる 心が落ち着くと 両肩から力が抜けて 腕が重くなっていくのを感じるかもしれないな」

ここでは右から素数を、左からリラックスや脱力の暗示を同時に入れてくるのが面白いですね。
聴き手の意識を素数に向けることで暗示に対する抵抗力を削いでいます。
左右から別々のことを言われるおかげでちょっぴり頭がくらくらするかもしれません。
原作の要素を活かしつつ催眠に誘導できるようきちんと組み立てられています。

中央「思考がぐるぐると螺旋のように回り 落ちていく 一本道の思考の表面をずーっと辿っていく」
右「螺旋階段 カブト虫 廃墟の町 イチジクのタルト カブト虫 ドロローサへの道 カブト虫 特異点 ジョット 天使 紫陽花 カブト虫 特異点 秘密の皇帝」

素数を数えながら適度に催眠に入った後に登場する深化もとってもユニーク。
右から、あるいは左から先ほど言った14の言葉を投げかけながら
中央では意識がぼやけ、頭の中がどろどろになる暗示を入れていきます。

聴いた限りだと14の言葉自体にそこまでの意味は持たせておらず
中央からの暗示を入れやすくするためのギミックとして使用しているように思えます。
私の場合は意識のぼやけよりも手足の重さを強く感じました。
メイド・イン・ヘブン 時は加速する
無事催眠に入った後はいよいよ目的である幸福を掴みにいきます。
ここでは彼のスタンド「メイド・イン・ヘブン」に則って
「時を加速させ、未来の自分に会いに行く」という非常に変わったイメージが用いられています。
(メイド・イン・ヘブンのスタンド能力は「時を加速させる」こと)

「時はどんどん加速していき 時計の針がぐるぐる回りだす 重力が体を引き戻そうとし 後ろに引っ張られるような感覚がする」
時が急速に進むという非現実的な感覚を
彼は超高速の乗り物に乗って移動しているような感覚として伝えてくれます。
催眠に入ったときに感じる浮遊感や落下感に近いものですね。
同時にカウントを数えることで時が進んでいる気分にもさせてくれます。

「未来の自分と混ざり合うと 今の姿から一変して 誰から見ても できると思われるような凄みを感じる姿へと変わっている」
そして最後は未来の自分にパワーを分け与えてもらうイメージを交えながら心身をリフレッシュします。
実際のところ、過去をくよくよするより未来に向けて頑張るほうがずっと建設的です。
だからこそ彼は未来の自分を今よりも良い形で表現し
「そうなるに違いない」という勇気と活力を与えようとします。
普段よりも声のトーンを上げ、晴れやかに語りかけてくれているのも印象的でした。

このように、プッチ神父のキャラを最大限にリスペクトした催眠が繰り広げられています。
良い意味でぶっ飛んでいる作品
二次創作らしい個性的なネタの数々と催眠の技術を融合させている異色作です。

「数年後の君はこうなると理解する そうなるために「覚悟」して行動する それこそが「幸福」なんだ」
プッチ神父は天国に行くためには幸福になる必要がある
幸福になるには未来に対して覚悟して行動するのが良い、といった感じに
主人公にもわかるように説明しながら順を追う形でそこに導いていきます。
そして覚悟するための具体的な手段として、彼のスタンドを交えた催眠を施しています。

聴く前はどういう内容なのか不安と期待が半分ずつでしたが
ネタを取り入れながら催眠技術をあまり違和感を感じない形で使用しています。
特に素数を数える、14の言葉を口ずさむシーンで
混乱技法を主軸に据えたのは良いアイデアだと思います。

「ほんのちょっぴりとでも 何かを難しいと思ったら 心の中で 「簡単簡単 どうってことない」 と唱えてみるといい」
仕上げの未来の自分と会うシーンについても、具体的なビジョンを敢えて提示せず
聴き手が自分の中で好きにイメージできる環境を整えるだけに留めています。
神父だから「神に祈りましょう」と言うのかと思いきや
結構現実的なアドバイスをしてくれているのが意外であり面白くもあります。

催眠はベースが古典催眠、細かな言い回しに現代催眠のテクニックが見られます。
良くも悪くも原作を強く意識した内容になっていることだけご注意ください。

変わった形で心身をリフレッシュしてくれる作品です。
特に原作が好きな方は是非一度お試しください。

CV:ftnrさん
総時間 43:55

催眠作品を紹介しながら自分でも作るブログ
http://brain-sexual-excitement.blog.jp/archives/1041555662.html