【艦むす耳かきバイノーラル】五月雨を集めて流る約束の…【五月雨】

サークル「藤和工場」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、艦これでお馴染みの駆逐艦娘「五月雨」が
愛する提督のために心のこもった耳かきをします。

五月雨の魅力や2人の絆の強さを強調したドラマ性のある耳かきがされており
ちょっぴりおっちょこちょいだけど献身的な彼女の姿が癒しを与えてくれます。
一生懸命な姿が眩しい艦娘
五月雨に耳かきをしてもらうお話。

「提督ー? 五月雨 入りますっ!」
五月雨は明るくて甘い声の女の子。
任務の成果を報告するために提督の部屋にやってきた彼女が
入ろうとして転びそうになり、彼に抱きとめられるところから物語は始まります。

本作品は彼が子供の頃に母親にしてもらった耳かきを再現するために
彼女が短時間ながらも愛のある耳かきを行います。
元ネタがある作品なのですが専門用語や他の艦娘の話が出ることは無く
2人の仲の良さを感じさせてくれるやり取りがメインです。
原作を知らない人でも普通の耳かき音声として問題なく楽しめるでしょう。

「ちょっと嬉しいなーって 長いだけの髪ですけど 提督のお役に立てたのかな」
今回お相手を務める五月雨はドジっ子だけど純真無垢なキャラ。
提督に対して絶対的な信頼を寄せているらしく
長い髪を褒められると大喜びする可愛らしい仕草を見せます。

耳かきでも時折手を止めて会話をするシーンがあったりと
耳だけでなく心も癒そうとする気持ちが窺えます。

メインのサービスとなる耳かきはおよそ11分間。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と梵天で汚れを取り
仕上げに短く数回息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「ぞりぞり ずずっ」と細く硬い音
梵天は「ぽりぽり ぷす」と柔らかい音が使われており
前者は耳の壁をなぞるように何度も掻き出す感じで
後者は軸を細かく前後に回転させる動きをします。
音質、動かし方ともに素朴でリアルな印象を受けました。

そもそもの時間が短いことを考えてあまり大きく位置を動かしたりはせず
最中は五月雨が無言になって効果音だけを集中的に楽しませてくれます。
そしてしばらくすると手を止めて会話をするメリハリを持たせた耳かきがされています。

会話の内容は耳かきのきっかけとなった提督の子供の頃のこと。
自分の耳かきが母親にされているようだと言われて五月雨が喜んだり
彼の要望に応えて髪を触らせてあげたりする和気藹々としたやり取りが心を温めます。

「微かな川の音 風に揺れる風鈴 遠くではセミの声」
また後半の左耳に入るとより昔に戻りやすくするための演出として
小川のせせらぎ、風鈴の音、セミの鳴き声といった環境音も登場します。
場所ではなくイメージに合わせて環境音を使うのは珍しくて面白いですね。
音質も極めてリアルで自然な音の数々が別の癒しを与えてくれます。

このように、五月雨のキャラや2人の人間関係を意識した耳かきがされています。
心を綺麗にしてくれる作品
五月雨の表裏の無い性格が見せる提督への気遣いが印象的な作品です。

五月雨は仕事の上司であり敬愛している提督が少しでも安らげるように
彼女なりに一生懸命な耳かきをします。
専門店の店員のような熟練した腕はないものの、動き自体はとてもしっかりしており
話しかけるときは必ず一旦手を止めていることからも
彼の耳を傷つけないよう気を配りながら行っているのがわかります。

「いつか 提督の故郷で お家の縁側で こうしてあげたいです」
会話の内容についても一部でしんみりするところもありますが
この先の戦いを乗り越え、無事故郷に帰ろうと決意を固める形でまとめてあります。
単に耳かきをするのではなくひとつのイベントに近い演出がされています。
これが冒頭に書いた「ドラマ性のある耳かき」の意味です。

耳かきは右耳では効果音のみにし、左耳で環境音を加えて変化を持たせています。
元々音に定評のあるサークルさんですからレベルは高いです。

五月雨の魅力を引き出している耳かき作品です。
最近音声作品にあまり出演されていない野上さんのお声が聴けるのもポイント。
無料ですので興味の湧いた方は是非お試しください。

CV:野上菜月さん
総時間 17:38

藤和工場
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