休日屋 ━丹の家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今年4月に発売された大人気作品「休日屋」の続編にあたる本作品は
可愛い女の子と一緒に過ごす田舎の休日を隅から隅までお届けします。

専門店よりは家庭に近いのんびり、まったりしたサービスを行ってくれるのが特徴で
耳かきやマッサージはもちろん、お散歩や花火といった何気ないものも取り入れながら癒しを与えてくれます。
都会を離れて田舎でのんびり
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「あっ! こんにちはー こっち こっちですよー」
日向は明るくて優しい声の女の子。
とある夏の日、休日屋にやってきたお客を駅まで迎えに行くと
一緒の日傘に入りながら歩いてお店に向かいます。

休日屋は都会で忙しい日々を送っている人々に個別に手紙を送り
来てくれた人には無料で様々なサービスをしている変わった専門店です。
サービスの内容は汗拭き、かき氷、マッサージ、お散歩、花火、お風呂での洗浄、耳かき、添い寝、朝食など
専門店では定番のものからあまり見かけないものまで多種多様。
まさに休日を丸々切り取ったかのような充実したひと時が味わえます。

総時間が3時間30分(おまけも合わせると約4時間)と大ボリュームなため
今回は個人的に気になったサービスをいくつかピックアップしながら紹介します。
価格がたったの200円とコスパが驚異的に良いですから興味を持った人が聴く分には100%損はしません。
ですから残りの部分は聴いてのお楽しみとさせてください。

作品全体における大きな特徴はリアルな効果音や環境音が効果的に使われていること。
冒頭のお客が乗った電車が到着するシーンでは
電車の音はもちろん、ドアが開くのと同時にセミや鳥の鳴き声が聞こえ始めるなど
その場の様子を細かな変化も見逃さずに音だけでリアルに表現しています。

日向や彼女の姉の安土日登魅(あづちひとみ)もそれなりにしゃべるのですが
聴いた限りではやはり音を中心に構成されている印象を受けます。
特に今回は場所や時刻の変化による環境音の移り変わりに力を入れることで
夏のとある一日の様子を臨場感たっぷりに演出しています。
定番のものから変わったものまで
ここからは本作品ならではのサービスの中からかき氷とお散歩を
他の作品にもある定番のサービスとしてお風呂と耳かきを個別に紹介していきます。

日向がかき氷を振舞ってくれるのは4番目の「夏といえば!」パート(約9分間)。
お店の縁側で彼女が手動のかき氷機でかき氷を作り、日登魅を含めた三人で食べます。

日登魅「あっ 私メロンがいいわ メロンー」
日向「はいはい 自分でかけてくださいねー」
氷を削る際に鳴る「シャリ シャリ」という小気味のいい音が耳に心地よく
姉妹のテンポのいいやり取りやかき氷につきものの頭がキーンとなるシーンなど
夏らしさを押さえながら癒しも感じるほのぼのとした一幕が楽しめます。

本作品における日登魅は日向がいない間にお客にちょっかいを出したり
逆に二人がより親密になれるよう密かにサポートするゲストキャラみたいな位置づけです。
専門店といえばお客と店員が一対一であれこれすることが多いだけに
彼女の存在がちょっとしたアクセントになっています。

そして先ほど説明した「環境音の移り変わり」が最も如実に表れているのが6番目の「お散歩」パート。
13分ほどをかけて近所の川辺まで歩きお店に戻ってくる至ってシンプルな内容なのですが
1分ほど経つとセミが止まっている木を通り過ぎたのか、鳴き声が徐々に近づいてから遠ざかっていったり
しばらくすると今度は鳥が鳴くようになり、それに合わせて川のせせらぎが少しずつ近づいてくるなど
二人が移動している様子がほとんど音だけで見事に表現されています。

こういう環境音がリアルタイムで変化する作品は、他のサークルさんで1作出ているくらいで非常に少ないです。
音質自体も極めてリアルですし、すべてが自然だから聴いていてとても落ち着けます。
本作品の音の良さがよく表れているパートと言えます。

対する後半に登場する定番のサービスはいずれも20分前後と時間が長く
質の高い音の数々を落ち着いた雰囲気でたっぷりと楽しませてくれます。
中でもサークルさんが最も得意とされている耳かきは2パート55分(おまけも合わせればさらに増えます)もあり
そのまま寝てしまいたくなるほどの大きな癒しのパワーを秘めています。

その前に紹介するお風呂での洗浄が登場するのは9番目の「夏のお風呂!」パート。
水着姿の彼女に背中を流しシャンプーとトリートメントをかけてもらってから一緒に湯船に入ります。

「次に シャンプーなんですけど じゃーん 冷やしシャンプー!」
ここでは夏に合わせて冷やしシャンプーを使っているのがいいですね。
「ぽしゅ しゅくっ」という独特な効果音を左右別々の位置やペースで鳴らして洗い
それからしばらく放置してパチパチと泡が弾ける音を楽しみます。
シャンプー音が耳に与える心地よい刺激が癖になる人もいるでしょう。
水着姿を見られてちょっぴり恥ずかしがる日向の姿も初々しくて可愛いです。

そして本作品では最も長い時間が取られている日向の耳かきは31分間。
耳の外側を蒸しタオルで拭き、膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒を使って汚れを取り
仕上げに梵天をかけながら数回息を吹きかける丁寧なスタイルです。
ちなみにもうひとつのパートは後日お客の自宅で日登魅がしてくれます。

耳かき棒は「すり ぞり」と比較的滑らかで乾いた音
綿棒は「すすっ ちり」と軽い圧迫感のある柔らかいとした音が使われており
前者は耳の壁を奥から手前に優しく引っかくようにゆっくりと
後者は軸をゆっくり回転させて汚れを絡め取っていくように動きます。
サークルさんの過去作同様極めて質の高い耳かきと言えます。

「気持ちいいです? 癒されてますか? 私も あなたにする耳かき 幸せですよー」
どの音も力加減が弱められているので30分聴き続けたとしても耳が痛くなる可能性は低く
日向の微かな吐息や幸せそうなセリフも心を温めてくれます。
ここまで来るとバックでは控えめな鈴虫の声が鳴るようになり
前半とはまるで違う静かな夜の雰囲気を醸し出しています。

このように、明るい癒しと落ち着いた癒しの両方が味わえる濃ゆいサービスが繰り広げられています。
季節感を大事にしている作品
夏という題材を様々な部分に織り交ぜながら癒してくれる作品です。

本作品ならではのものから王道的なものまで数多くあるサービスを
時間や場所の変化を意識しながら上手に繋げて夏の一日を演出しています。
専門店におけるサービスは個々が独立している場合が多いのですが
本作品には内容はまったく違ってもサービスごとにきちんとした関連性があります。
例えばお店に来るまでに汗をかいたからタオルで拭き、それから涼を取るためにかき氷を食べるといった感じです。

サービスの内容も夏の中にある涼を感じさせるものが多く
それをバックで流れるセミの鳴き声や風鈴の音が盛り上げます。
効果音と環境音のレベルが高く扱いにも長けているサークルさんだからこそ作れる作品です。

「私もこの一日を ずーっと忘れません」
それらを行ってくれる日向の存在も忘れていけません。
田舎の子らしい純真で献身的なキャラが癒しを与えてくれます。
前作では効果音が圧倒的に強く影が薄い印象を受けたのですが
今作では日登魅とのやり取りも交えつつ彼女らしさをしっかりアピールしています。

今の季節にぴったりな癒し系作品です。
サービスのクオリティの高さ、ボリュームの多さ、それに対する価格の安さを考慮し
本作品をサークルさんでは5本目の満点とさせていただきました。

おまけは「ある日の休日屋」です。

CV:日向…浅見ゆいさん 日登魅…藤堂れんげさん
総時間 本編…3:28:20 おまけ…32:17

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
おまけの「ある日の休日屋」はニコニコ動画に投稿されている「声付き耳かき音を作ってみた20」と同じです。
購入を迷われている方は参考に聴いてみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26778548