催眠的な彼女6月号

サークル「スマイル戦機」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、母性漂うあまあまな雰囲気の彼女が
幼児退行の催眠を使って聴き手に癒しを与えます。

本当の子供に語りかけるような彼女の優しい声や言葉
バックで流れ続ける水の揺れる音や弾ける音、など
赤ちゃんになる気分を味わわせるための様々な演出がされており
聴いてる最中はリアルを忘れてとても幸せな気分に浸ることができます。



彼女の赤ちゃんになって甘えよう
彼女に幼児退行の催眠をかけてもらうお話。

「今日も一日おつかれさま」
彼女は甘く優しい声の女の子。
家に帰ってきてすぐさまベッドに寝転ぶ主人公を心配そうに見ると
日頃の頑張りを労う様々な温かい言葉を投げかけます。

本作品のテーマは催眠音声で最近注目を浴びつつある「幼児化」
現実世界のあれこれから一時的に離れ
彼女に甘やかされながら心身をリフレッシュします。

著しく癒しに傾倒した作りのため、エッチな要素は少ないものの
赤ちゃんでしか体験できないシチュがたっぷり用意されていますから
赤ちゃん気分を味わう分には問題なく楽しめると言えます。
簡単に言うと雰囲気作りが上手です。

今から4年近く前に出たにも関わらずバイノーラル録音が施されているのもポイント。
催眠の序盤から彼女はこちらの耳元へと近づき
時折位置を切り替えながら息遣いまで聞かせてくれます。
テーマがテーマですから彼女との一体感・密着感はとても重要です。
それを感じさせるための演出にもこだわりながら作られています。

催眠はおよそ25分間。
最初は布団の温かさを感じながら深呼吸や上半身の脱力を行います。

「指先の力を抜いて ゆーっくり 閉じて 開いて ほーら もう君の手は ふわーり ふわーり」
「ほら 体がかるーく かるーくなっていく」

彼女はそれらを行いながらしきりに体に軽さを感じさせようとします。
一般的な催眠音声だと脱力の際に重さを感じさせることが多いため
このシーンで逆に体が重たくなる人がいるかもしれません。

ですがそれはそれで脱力できていることを表しているわけですし
あまり気にせずそのまま聴き進めていくのがいいでしょう。
肝心なのはリラックスできているかどうかです。

「ゆらーり ゆらーり 波に揺られて 穏やかな 波に揺られて」
お次は更なる脱力として風・波など自然のイメージを交えながら
それらに揺られて心地よさを感じます。
このあたりから水の揺れる音や弾ける音がバックで流れ始め
実際にそれらに漂っている雰囲気を感覚的にも伝えてくれます。

環境音は人間なら誰にでも通用する癒しの音ですし
多くの人が自然に帰ったような安らぎを感じるでしょう。

「いま君が 赤ちゃんになったみたいに 自分では何もできない 何もできない 君」
また彼女は脱力を行いながら、今回のテーマである幼児退行にも触れ始めます。
赤ちゃんはお母さんにお世話してもらわないと何もできない存在です。
そして今の聴き手は体の自由を奪われた何もできない存在。
感覚のリンクによって遠まわしに幼児化を自覚させるわけです。

「君は今 私の中にいる 私のお腹の中で 私の鼓動を聞いている」
「ゆらり ゆらり あったかい羊水の中 私の胎盤は 君と繋がっている」

そして最後はこの後行うプレイの準備として
彼女のお腹の中にいる気分を膨らませていきます。
先ほどの波に漂う感覚を羊水に置き換え、彼女の鼓動も感じさせるなど
お話のつなぎ目に違和感がなく自然にイメージすることができます。

幼児化に向けて少しずつイメージをシフトさせていくスマートな催眠です。
いきなり赤ちゃんに関する描写を持ち出すようなことはせず
まずは十分にリラックスさせ、その心地よい感覚に浸らせながら
やや遠まわしに赤ちゃんならではのイメージを徐々に植えつけていきます。
中でも波間に漂う感覚を羊水に切り替えてくるアプローチは見事と言えます。

しかし、催眠音声にとって最も大事な技術が不足しているため
本作品を聴いて赤ちゃんになることはおろか
催眠状態に入る可能性すら皆無と私は考えています。

まず催眠を進めるにあたって確たる技術が使われていません。
深呼吸で呼吸に合わせて声をかけているところまでは良かったのですが
脱力では分割弛緩法と漸進的弛緩法の一部を抜粋したようなことをやられていますし
その後のイメージを絡めての深化シーンもカウントを普通に数えているだけです。
おかげで脱力に特化した催眠なのに、私はまったく体が重くも軽くもなりませんでした。

「私の声だけを…きく そのことにだけ 全神経を注いで 私の言うとおりに 体の力を抜いて欲しいの」
それ以上に致命的なのが暗示の表現方法とボリュームです。
彼女は暗示を入れる際、「~して」とお願いするような言い回しを何度も使用しています。
暗示を入れるべきところで指示を与えてしまっているわけです。
さらにイメージの描写に力を入れるあまり、感覚を操作する暗示が極端に少ないです。

催眠では術者が言ったことを聴き手が主観的に感じられるかが結構重要になります。
だから多くの催眠音声では「体が重くなる」と聴き手視点で語られているのです。
客観視点で表現していては暗示のパワーは当然弱くなります。
本作品のように暗示を散発的に入れているのなら尚更です。

まとめると、雰囲気作りや流れは良いのだけど技術が残念な催眠です。
彼女の声のおかげで癒しを感じたり眠気を催す人はいても
催眠特有の感覚は得にくいと思います。



彼女のお腹の中で過ごす心地よさ
続く2番目のパートは赤ちゃん気分を純粋に満喫するシーン。
彼女のお腹の中に漂いながら様々な愛の言葉を聞いて心を浄化します。

「君を守れることが ママは嬉しい こうやって 愛情を伝えられること とっても幸せ」
「ねーんねーんー ころーりーよー おこーろーりーよー」

引き続き環境音が流れる中、彼女は聴き手が羊水に漂っていること
その存在を自分も感じ、幸せに思っていることを伝えながら
「守ってあげるからね」と優しい言葉をかけたり子守唄を謳ってあげます。

ここでも彼女に抱かれているイメージの描写が中心となっているため
催眠音声特有の体や心を操作される感覚は味わいにくいのですが
雰囲気はしっかりしているので一定以上の癒しは得られます。
そして最後に彼女のいきむ声と共に再び外の世界に送り出されます。

エッチシーンはおよそ8分間。
プレイはキス、SEX(正常位?)です。
エッチな効果音、セルフ共にありません。

「ほら 見て? 君は ママのここから出てきたんだよ?」
赤ちゃんとして無事生まれてきた主人公に優しい言葉をかけると
彼女は自分のおまんこを見せつけながら、再びここに戻ってくるよう誘います。

エッチはここまでの流れを踏まえて彼女がリードしながら行います。
時間的にも内容的にも淡白に感じるかもしれませんが
様々な経緯を経た末に結ばれるだけあって強烈な愛を感じます。
彼女に愛されていることに幸せを感じながら抜くエッチですね。

「さぁ ママのここへ戻りまちょうね?」
また彼女は今までとは違い、赤ちゃん言葉でこちらに語りかけてきます。
最初に交わされるキスは優しくしゃぶるような粘性の高い舐め音を鳴らし
その後のSEXも切ない喘ぎ声を漏らす濃度の高いプレイが行われており
ここだけを聴いても1発抜けるくらいの十分なパワーを秘めています。

ちなみに本作品のエッチはドライ・セルフ・ウェットいずれにも該当しません。
彼女がイキ声を上げた直後に終了しています。
ここも催眠音声よりはエッチなボイスドラマに近い作りです。

このように、テーマに沿った癒しに溢れたエッチが繰り広げられています。



癒しは大いに感じるのだが
催眠っぽいことをしているエッチなボイスドラマです。

聴き手が赤ちゃんになった気分を十分味わえるように
彼女は終始優しい物腰で声を近くに寄せながら
赤ちゃんにちなんだ様々な要素をイメージとして描写し
それと並行して甘やかす言葉や励ます言葉を何度も何度もかけてくれます。

彼女の声が後になるほど母性を感じる丸みを帯びたものへと変化し
それが生み出す温かい空間に、すべてを忘れさせてくれるほどの癒しを感じました。
お話の展開やエッチの内容も作品の趣旨に沿ったもので統一されていますし
癒し系のボイスドラマとして見るならかなりの完成度を誇っていると言えます。

ですが催眠音声は催眠の技術を使って聴き手を誘導するものですから
本作品のようにイメージや雰囲気がしっかりしているだけでなく
主観的にそう感じさせるための効果的なアプローチが必要不可欠です。
残念ながらその最も大切な要素が本作品には不足しています。
この時点で催眠音声と呼ぶのは正直厳しいです。

エッチは暗示で聴き手の感度を上げたりすることはないのですが
声や音を意図的にエロくしているのでオカズとしてなら普通に使えます。
自分からおまんこの中まで見せつけておねだりするシーンが特にグッときました。
淫語・ちゅぱ音・喘ぎ声いずれもごく僅かです。

以上のことから今回は大変厳しい点数とさせていただきました。
しっかりとした技術を用いていれば名作になっていた可能性もあるだけに残念です。

CV:まきいづみさん
総時間 1:17:24


オススメ度
■■■□□□□□□□ 3点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は4点。
コスパがやや悪いので-1してあります。
幼児プレイを扱った癒し系の同人音声として見るなら5点です。