魔囁の教会

魔囁の教会 前編」に引き続いての後編です。
今回は女の子になってスライムに犯される女体化バージョンをレビューしていきます。



理想の女の子へと変えてくれる催眠
女体化の催眠はおよそ27分間。
楽な姿勢で目を瞑り、深呼吸や脱力をするところから始まります。
冒頭のやり取りから催眠の前半、具体的には彼女の手で体を撫でられるところまでは
スライム化とほぼ同じ流れですので説明を省略します。

催眠開始からおよそ16分後、心身を十分にリラックスさせたところで
シスターは主人公の女の子になりたい願望をかなえる暗示を入れ始めます。

「体型はどうでしょう むちむちした 肉感的な体? それとも ほっそりとした体?」
まずは髪型、肌の色、胸の大きさ、体型、手など細かく分類しながら
自分の理想とする女性像をイメージします。
彼女も2択形式でそれらを手助けしてくれます。
具体的な容姿は挙げずに聴き手の自由に任せる感じです。

「体の感覚が 曖昧になる 暖かい光に 溶けていく 感覚が どんどん消えていく」
そしてある程度固まったところで光の玉をイメージし
全身を包まれて体が温かくなったり曖昧になるのを感じます。
このへんもイメージの内容は違いますが、暗示の内容がスライム化とかなり似ています。
後に聴いた場合の入りやすさを重視してこうされたのでしょう。
実際に聴いたときもスライム化に似た心地よさや意識のぼやけが感じられました。

「溶けた体が 今度は どんどん どんどん 集まってくる どんどん どんどん 固まっていく 元の姿と似ているようで 少し 違った形に固まっていく」
ただし、存在を溶かしておしまいだったスライム化に対し
女体化はそれを再構築して先ほどの女の子に生まれ変わるシーンが加わります。
ここでも再度体全体をなぞるように確認してくれますし
女体化音声をある程度聴いているのならイメージはしやすいと思います。

大まかな骨組みはスライム化と一緒で、女体化部分だけ違う催眠です。
両方聴いた限りだと催眠のベースはスライム化にチューニングされており
それを女体化方面にアレンジしているように見て取れます。
その結果、女体化シーンの完成度がスライム化に比べるとやや低く感じました。

心と体がドロドロになる感覚から女性の体を再構築するまでの流れが
やや性急なため、女体化音声に慣れていない人だとついていけないかもしれません。
使われているイメージも女性とは特に関係の無い光の玉ですし
女性特有の要素を交えていたら、今回とはまた違った印象を抱いたように思えます。

あくまで「スライム化と比べたら」の話です。
他の催眠音声と比べればやっぱりレベルは高いと言えます。



責められる快感を主観的に楽しませてくれるエッチ
エッチシーンは33分ほど。
プレイはシスターとのキス、軽い愛撫、スライムによる全身愛撫、口・胸・おまんこ・アナル・尿道への責めです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「女の子の快感 ぜーんぶ教えてあげますね 思いっきり 気持ちよくしてあげますから」
催眠を使って主人公が理想とする女の子の姿へと変えたシスターは
その感度の具合を確かめようと彼女にキスをしたり体を優しく撫で回します。

エッチは最初の2分ほどがシスターに、残りはスライムに責められる形で進みます。
スライム化の立場逆転的なプレイになりますので
あちらと同じく陵辱要素のほとんど無いあまあまなエッチが楽しめます。
そして男性が持つ征服欲を満たすことに力を入れていたスライム化に対し
女体化は女性としての純粋な快感に的を絞ったプレイがされています。

「ぬるぬるとした感触が ゆっくり ゆっくり 這い上がる まるで たくさんの舌に 愛撫されているみたい ゾクゾク ゾクゾク 快感が走る」
「なんだか 甘くて美味しい ミルクのような あまーい味 いつまでも いつまでも 味わっていたくなる そんな とっても 美味しい味が 口の中に広がる」

前半はスライムが上半身を覆い、おっぱいや口の中を責めるプレイ。
スライムの質感や口に含んだときの味までを
具体的な比喩を交えながら聴き手視点でとてもリアルに描いています。

スライム化では女の子が乱れる描写を適度に挟んでいたのですが
今回は感度を高めるなどの感覚操作をする暗示に終始しています。
催眠音声では聴き手が受けに回る場合がほとんどですし
おそらくほとんどの人がこちらの方に取り組みやすさを感じるでしょう。

さらに素晴らしいのが「柔らかい」「甘い」といったように
スライムがもたらす快感をすべて良い印象を抱く表現にしていることです。

スライムに犯されるプレイというと消化される、妊娠させられるなど
される側にとってはあまり良くない結末になるケースが多いです。
だからこそシスターはほのぼのとした表現を意識的に多く使って
聴き手が恐怖を抱かずにプレイを楽しめる環境を作ろうとしています。

おかげでスライムに犯されているのにちっとも嫌な気分がしません。
だからこそシスターの声に集中し、気持ちよくなることに熱中できるわけです。

後半のシーンではいよいよ責めの対象を下半身へと移し
クリトリス、尿道、アナル、おまんこの4点をスライムが同時に責め始めます。

「(アナルに侵入したスライムを)押し出そうとして ぐいぐい ぐいぐい 締め付けると お尻から あまーい快感が 広がってくる 気持ちよくて 気持ちよくて ふっと 力が抜ける」
ここでも自分がスライムに責められたらどうなる、どう感じるかを
本当にきめ細かく、そしてイメージしやすく伝えてくれています。

シスターの熱を帯びた声も相まって股間にかなりの熱を感じました。
そして絶頂の瞬間は股間がきゅーきゅーと締め上げられる不思議な快感も味わえました。
ほぼすべてのセリフを主観的に言ってくれるから自分のことのように感じやすく
その積み重ねが性的快感を自然に高めてくれたのだと思います。

このように、責められる快感に力を入れた濃厚なエッチが楽しめます。



幅広いニーズに応えてくれる作品
スライム姦という変わったプレイを両方の立場から楽しめる異色作です。

女の子になってモンスターに犯される催眠音声は
KUKURIさんや風呂井戸ソフトさんが様々な趣向の作品を出されていますが
本作品はそれだけでなく逆に女の子を犯す楽しみも与えてくれます。

催眠音声はシステム的に聴き手を責め手に当てはめてエッチをするのが難しいです。
それを高いクオリティを維持しながら仕上げているところがとても素晴らしいです。
男性が潜在的に持っている女性への征服欲を刺激しているのが決め手でしょう。
多少なりともSっ気のある人がスライム化を聴いたらきっと楽しめるはずです。

対する女体化は既にジャンルとして確立されているものですから
エッチは責められる感触と快感を突き詰めながら進めています。
やってるプレイは一緒なんですけど、立場がまるで逆だから違った感覚で楽しめます。
こちらは受けに回るのでM性のある人の方がしっくりくるでしょう。

2つをまとめると催眠はスライム化、エッチは女体化に分があると私は考えています。
催眠については先ほど触れたテーマとの親和性が主な要因です。
催眠の心地よい感覚で心と体がとろけていく展開はまさにスライムそのものです。

エッチは暗示のボリューム、描写の洗練度いずれも女体化の方が優れています。
ドライの感覚もこちらのほうが掴みやすいかなと。
スライム化も別に悪いというわけではないのですが、内容がイレギュラーなのと
S性をどれくらい持ち合わせているかで熱中度に差が出ると思われます。
催眠音声の聴き手はMな人が多いので、女体化の方がしっくりくるでしょう。

エッチはもうびっくりするほどあまあまです。
サークルさんが元々こういう作風なのもあるのでしょうが
癒されながら気持ちよくなることにかなりこだわっています。
淫語そこそこ、ちゅぱ音ごく僅か、喘ぎ声はありません。

個性的なだけでなく催眠音声としても高いレベルを誇る作品です。
1本450円とコスパが抜群に良いですし、興味のある方は是非ともお試しください。

CV:あ、きのこさん
総時間 スライム化…1:13:15 女体化…1:08:08


オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
コスパで+1してあります。