催眠触手  ~侵食快楽~

サークル「窓際クルセイダーズ」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、森の奥に建つとある館を舞台に
優しい女の子が触手を使って普通では味わえない快感を提供します。

全身を拘束して性感帯を刺激する王道的なものではなく
耳の中に触手を入れて脳を直接舐めるという変わったプレイがされており
そのための準備としてテーマに合わせた催眠誘導をしてくれます。
それ以外にもマルチボイスを取り入れたシーンが登場したりと
サークルさんの過去作より一歩進んだ演出がされているのも魅力です。



触手娘の館に向かうイメージをしながら
触手娘の触手に脳を直接責められるお話。

「あらいらっしゃい こんな夜更けに人が尋ねてくるなんて」
触手娘は甘く可愛い声の女の子。
とある森にある彼女の館に迷い込んできた主人公に挨拶をすると
彼の疲れを取り除くために催眠をかけてあげます。

催眠は2パート17分ほど。
まずは下準備として彼女の声に合わせて深呼吸をします。

「疲れると 重りがついてるように 手足が重いですよね だから 動かさなくてもいいんですよ」
深呼吸をしながら体が重くなる暗示を入れてくるのですが
主人公が遠路はるばる歩いてきた背景を利用して
「体が疲れているから重い だから動かしたくなくなる」と言ってきます。

唐突に「体が重くなる」と言ってくる作品に比べて筋道が立っているから
彼女の言葉になんとなく受け入れやすさを感じるでしょう。
「~ですね?」と語尾を若干ぼかしているのもいいですね。
彼女は聴き手に嫌な感じを抱かせないよう、終始柔らかい物腰で働きかけてくれます。

軽くリラックスした後は、主人公がここに至るまでの道筋をイメージします。

「一歩 また一歩 踏み出すたびに 体力が奪われていく 体が 重くなっていく」
暗い森の中、ぬかるんだ地面をあてもなく歩き続けるのは
リアルでも相当に疲れるし不安にもなります。
そんな様子をシーンにぴったりな重苦しい声で描きながら
彼女は何度も何度も手足が重たくなる暗示を入れてくれます。

本作品の催眠は体の重感を操作する暗示が数多く登場しますから
後になるほど主に体の末端部分に重さを強く感じるでしょう。

またこのあたりから彼女以外に同じ声の別のキャラも登場し
左右から不規則に彼女の言ったセリフを一部復唱してきます。
催眠における効果はそれほど期待できるようには思えませんが
不意に聞こえてくる可愛い声が耳に心地よさをもたらします。
双子っぽいけどそれとはまったく違うタイプの演出です。

「そこには私がいる いらっしゃい とあなたを迎える 体からどっと力が抜ける 思考も安心感に支配される」
そして最後にようやく今いる彼女の館へと到着します。
不安な冒険の末にたどり着いたからこそ、そこには大きな安らぎがあり
主である彼女に対しても安心感を覚えます。
そうやって彼女は自然な形で自分に対し信頼を感じるよう巧みに誘導します。

作品の背景に古典系の催眠法を上手に組み込んだ比較的レベルの高い催眠です。
この先行う触手プレイを受け入れてもらいやすくするのを目的に
暗示の内容を手足の重さ、彼女に癒しや信頼を感じることの2点に絞っています。
技術の使い方や暗示の入れ方・表現方法が的確なおかげで
時間が短いにも関わらず体の重さは十分に感じ取ることができました。

サークルさんの過去作に比べて催眠とテーマに親和性があり
それが聴き手と主人公を重ねやすくさせています。
言葉遣いも以前は結構カッチリした、悪く言えば押し付けるような表現が多かったのですが
今回は「~ですよね?」など、やや婉曲な語尾を意識的に使っており
それと誠樹ふぁんさんさんの絶妙な演技が噛み合って
この後触手プレイが行われるとは思えないほどの穏やかな雰囲気が漂っています。

まとめると、今までのサークルさんの中で格別に優れている催眠です。
大手さんにはさすがに届かないけど、それに準ずるくらいのレベルは持っています。



頭の中をかき回される気持ちよさ
エッチシーンは2パート20分間。
プレイは全身舐め、耳舐め、触手責め(脳姦)、オナニーです。

触手が動く際にコリコリとした音の混じった水音が鳴ります。
セルフは有りになります。

「あなたの耳の穴 そこに私のコレを入れて ぐちゃぐちゃにしてしまいたいです」
催眠を使って主人公の手足の動きを封じた触手娘は
彼の美味しそうな耳を見ながら、その中に触手を入れたいと言い出します。

エッチは無抵抗な彼を彼女が触手と舌を使って責め上げます。
触手プレイと言えばKUKURIさんや風呂井戸ソフトさんが
全身を触手まみれにするハードなプレイを扱った作品を作られていますが
本作品は体の外側よりも内側を徹底的に責めます。
リアルでは絶対に味わえない、まさに催眠音声ならではのプレイです。

そして聴き手がこの架空のプレイをできるだけ主観的に味わえるようにと
彼女はいきなり耳に触手を突っ込むようなことをせず
ひとまず耳の外を触手と舌で舐めながら感度が上昇する暗示を入れます。

「快感がぐるぐる巡る 耳が性感帯になっていく 蕩けそうな快感」
催眠誘導の段階で体の感覚に関する準備が特にされていないため
プレイ開始序盤の段階では、それほどエッチな気分は沸いてこないかもしれません。
しかしバックで鳴り続けるちゅぱ音や触手音につられて
顔を中心にだんだんと体が熱くなるのを感じるでしょう。

「なんだか違和感がするでしょ? でも それは嫌な違和感じゃない むしろ あなたは期待に満ちている」
「私に脳みそくちゅくちゅされて 幸せ 気持ちいい」

そしていよいよ右耳から触手が頭の中へと入っていきます。
聴いた限りではグロい表現は一切盛り込んでおらず
ここでも彼女は聴き手の恐怖心を優しいセリフで取り除きながら
触手に犯される気持ちよさと幸福感を伝えてくれます。

ですが触手プレイの感覚を「気持ちいい」とだけ表現するシーンが多く
これだと今回のような架空のプレイがもたらす快感は得にくいようにも思えます。
私も頭ではなくなぜか股間がムズムズしてました。

できれば「頭の中にもやもやとした心地いい痺れが走る」とか
もう少し具体的にどう気持ちよくなるかを伝えて欲しかったです。
最後は短めのカウントを何度か刻んで連続絶頂を目指します。

※2015年5月17日追記
脳姦好きな方のお話によると十分楽しめるとのことです。
私の意見はあくまで属性を持っていない側のものとして捉えてください。


2番目のパートはドライでは物足りなかった人のために
約1分間こちらが自由におちんちんをしごきます。
合間に軽い言葉責めが入るだけで感覚操作は特に行われていません。
射精も明確なタイミングが設定されておらず、セルフパートとしては不完全に思えます。

このように、触手プレイをできるだけマイルドな雰囲気で描いたエッチが楽しめます。



心を開いてくれる作品
どちらかというとエッチよりも催眠誘導に光るものを感じる作品です。

ふとした事情でやってきた主人公に常に温かい態度で接しながら
触手娘は脳内に触手を這わせるというアブノーマルなプレイを
彼自身が受け入れたくなる心境になるよう時間をかけて少しずつ導きます。
深化後に手足が動かせない圧倒的に有利な立場に立ってからも
決して強引に事を運ばず、引き続き彼をもてなしながら己の欲求を満たします。

この全編にわたる優しさ、柔らかさがプレイのヤバさを見事に中和し
最後まで無理なく聴ける、楽しめる空気を作り上げています。
プレイがプレイなのでこういう雰囲気作りはとても大事です。

催眠の技術も以前に比べて明らかにパワーアップしているのがわかります。
おそらく現代催眠の勉強をされているのでしょう。
聴き手の心を解きほぐすのに効果的なテクニックがいくつか使われています。
時間が短いのを考えて目的をきちんと絞っているのも素晴らしいです。

対するエッチはもう一つ何かが欲しかったというのが正直なところです。
今回のプレイは架空なため、普段のプレイ以上に高いイメージ力が求められます。
触手娘は触手を脳内に受け入れる恐怖を取り除くことに力を入れたわけですが
その結果、感度の上昇やプレイそのものの時間が限られてしまっています。

何をやっているのかはわかるけど、それがどういう快感なのかが掴みきれませんでした。
プレイに至るまでの道筋がしっかりしていただけに、ちょっぴり残念です。
くちゅ音とちゅぱ音そこそこ、淫語ごく僅か、喘ぎ声はありません。

催眠音声ではなかなかお目にかかれないプレイに挑戦した意欲作です。
催眠重視の作品が好き、触手好き、アブノーマルなプレイが好きな人にお薦めします。

おまけは両耳舐め3種、両耳舐め+触手音声3種です。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 本編…41:58 おまけ…18:00


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります