東方入眠抄4 ~解等苦~

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズでお馴染みのキャラ「聖白蓮」が
催眠の技術を交えた会話で安らかな眠りへと導きます。

外来語などのカタカナ用語を一切使わなかったり真言を唱えるシーンがあるなど
彼女のキャラにふさわしい落ち着いた世界観が構築されており
シリーズファンでも疑念を抱かず楽しめるようになっています。



聖白蓮と一緒に眠りの世界へ
聖白蓮が眠らせてくれるお話。

「こんばんは あら その姿…あなたはこの世界の住人ではないんですね?」
白蓮は素朴で穏やかな声のお姉さん。
寝る途中、いつの間にか命蓮寺へと迷い込んでしまった主人公に声をかけると
彼が安らかな眠りを得られるようお手伝いします。

本作品はサークルさん自身が「催眠風入眠音声」と言われているように
世に数多く存在する正統派の催眠音声のように暗示で逐一誘導するのではなく
催眠の技術に小話やBGMといった癒しを感じる要素を取り入れ
彼女に眠らせてもらう雰囲気を持たせながら眠りへと導きます。
催眠音声とボイスドラマの中間あたりに位置する作品と思ってください。

ですが作中で使われている催眠の技術や暗示の表現力は十分なクオリティを持っており
聴き進めていくほど頭の中がぽわぽわする幸せな気分が広がっていきます。
元々の目的が安眠にあるのでガチガチに誘導する必要はありませんし
彼女らしさを出すためにわざとこういう作りにしているように思えます。

「体の疲れも 心の疲れも ここで ゆっくりと癒していってくださいね」
白蓮は初対面の相手にも親しく接する慈愛に満ちたキャラ。
主人公により安らかな眠りを提供するために
いきなり眠らせるのではなくまずは心の穢れを取り除こうとします。

他には僧侶らしく優しい言葉で諭したり真言を唱える独特なシーンも登場するなど
彼女のキャラをかなり強く意識しながら催眠を進めています。
世界観がしっかりしてますから熱中しながら楽しく聴けるでしょう。



キャラを活かした独特な安眠誘導
催眠はほぼ全編にあたる40分間。
まずは深呼吸をしたりカウントに合わせて脱力しながら
まっさらな自分になるために精神と肉体を切り離していきます。

「ふわふわ 宙に浮いているような感覚になっていきます」
「もう あなたの体は動きません じわじわと 全身が沈んでいきます」

序盤なこともあって内容は普通の催眠音声とほぼ変わらず
息を吐いた直後や数カウントごとに力が抜ける暗示を的確に入れてきます。
脱力後に改めて行う深呼吸のシーンでその効果を実感するでしょう。

心身の準備が整ったところで本格的な安眠誘導に入ります。
事前に遠い昔に生まれたとある兄妹のお話をしてから
自分の心の中にある苦しみを彼女の言葉に耳を傾けながら浄化します。

「おんあぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばらはらばりたやうん」
「たゆたうように 体が揺れているような感覚 じんわりと 温かい水に 体が浸されているよ」

カウントに合わせて海の中に体を沈めるイメージをしながら行うのですが
最中におまじないとしてマントラ(真言)を唱える仏教色を持たせたものになっています。
このへんが純粋な催眠音声と大きく異なるところですね。
催眠にとってプラスに働くとは思えませんが、世界観の構築を助けているのは確かです。

そして最後に長めの深呼吸をしたり
先ほど沈んだ海から今度は浮かび上がりながら眠りへと落ちます。
ここでは聴き手が落ち着いて眠れるようにと白蓮が敢えてセリフの量を減らし
リラックスを促すピアノBGMや自身の寝息を多めに聞かせてくれます。

十分にリラックスしてから静かに眠る。
安眠として王道的な内容に彼女らしさを取り入れた比較的手堅い安眠誘導と言えます。



東方ファン向けの作品
心身をリフレッシュしながら眠れる催眠風ボイスドラマです。

妖怪・人間分け隔てなく平等に接する白蓮のキャラを踏まえて
序盤からとてもフレンドリーに語りかけながら心にプラスに働く暗示を入れ
スッキリした気分にしたところで仕上げの眠りへと導きます。
その流れの中に仏教語に関する話や呪文を取り入れ
彼女が寝かせてくれている雰囲気を出しています。

彼女らしさを出す諸々の要素が催眠からやや脱線しているため
当サイトでは敢えて催眠風ボイスドラマと呼ばせていただきました。
ですが催眠の技術が使われている部分については
暗示が若干少ないことを除けば特に問題を感じません。
むしろこの2つの要素を本当にうまく融合させているなとさえ思えます。
作品としての完成度はかなり高いと言えます。

「私は すべてを愛していますが 誰かを愛することはありません」
作中で白蓮が時折見せるしんみりとした様子も心を潤します。
彼女は人間ではないので人間の苦しみを味わうことはありませんが
それができないことも一つの悲しみに繋がっているように見て取れます。

人として生きる以上、苦しみから完全に逃れることはできません。
だからこそ彼女なりのやり方でそれとの上手な付き合い方を示してくれています。

個性的だけど催眠音声としては首を捻る部分があることから
今回は以下の点数とさせていただきました。
良くも悪くも白蓮のキャラを前面に押し出した内容になってますので
基本的には彼女やシリーズが好きな人にお薦めします。

おまけは作中で流れたアレンジBGM2種と般若心経読み聞かせです。

CV:saoriさん
総時間 本編・・・41:39 おまけ・・・12:52


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は6点。
コスパがいいので+1してあります。