添い寝カフェ『しろくまのしっぽ』

サークル「シロクマの嫁」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

サークルさんではおよそ8ヶ月ぶりと久々の全年齢向けになる本作品は
和風な女の子、洋風な女の子、元気な女の子の3人が
専門店ならではのきめ細かい癒しのサービスを行います。

オリジナル部分だけでも合計4時間以上という大ボリュームの中
オーソドックスなサービスからキャラの個性を活かしたものまで
それぞれをハイレベルな効果音を駆使しながらとてもリアルに描いています。

内容的に1つの記事でまとめるのが非常に困難なため
基本メニュー(前編)と指名メニュー(後編)の2回に分けて紹介します。



お客に合った癒しのサービスをその場で提供
『しろくまのしっぽ』の店員「桔梗」「アリス」と桔梗の妹「葵」からサービスを受けるお話。

「いらっしゃいませ 当店のご利用は初めてですか?」
桔梗は明るくお淑やかな声の女の子。
お店に初めてやってきたお客にカタログを見せながら
コンセプトやサービスの内容を説明します。

本作はお店の定番サービスである基本メニューと
店員さんの得意なサービスを行う指名メニューの2部構成。
今回紹介する基本メニューは大まかな内容をある程度揃え
その中で3人がところどころで個性を出しながらサービスを行ってくれます。

基本メニューだけでも124分とかなりのボリュームがありますから
無理に通しで聴かず数回に分けるのがいいでしょう。
1人あたりの時間は桔梗とアリスが50分、葵が20分と丁度いい具合になっています。

基本メニュー全体における大きな特徴は
サービスごとに異なる効果音をたっぷりと聴かせてくれることです。

シロクマの嫁さんは最近の作品ですと割とキャラ重視なものが多いのですが
本作では彼女たちのセリフをできるだけ減らし
サービスの一部始終をほぼ効果音のみで表現する、といった試みがされています。
いわゆる音フェチ向けの要素が非常に強いと思ってください。
安眠目当てで寝ながら聴く、といった使い方も大いに有りです。

効果音の質もサークルさんの過去作に比べて格段にパワーアップしており
特に耳かき関係の効果音に多くの人がびっくりするでしょう。
リアルな音を最大限に活用しながら濃厚なサービスを行う。
まさに音にこだわりを持っているサークルさんならではの作品と言えます。



新要素を交えた丁寧で隙のないサービス
最初に登場する桔梗の基本メニューは2パート50分30秒ほど。
一番目のパートは下着姿になったお客をうつぶせにし
肩や背中を海泥でマッサージしてからタオルで拭きシャワーで洗い流します。

「海泥には新陳代謝を促す効果があるので 体がぽかぽかしますよ」
「ぴちゃ ちゅぴ」という控えめな水音をゆっくりと左右にスライドさせながら
時にはゆっくり、時には速く鳴らしていく様子はとってもリアル。
特に肩口をマッサージする際は音が最も近くなり心地よい気分にさせてくれます。

タオルで拭いた後のシャワー音も水圧が適度に弱められていて
ゆっくりと洗い流している様子が音だけで十分すぎるほどに伝わってきます。
この音の絶妙なさじ加減が「格段にパワーアップした」と言った大きな理由の一つです。

次のパートで行われる耳のケア&頭部マッサージは36分間。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に布のようなもので耳を軽くマッサージしてから
耳かき棒で大きな汚れを、綿棒で小さな汚れを取り
耳垢水で洗浄してから馬の毛を使った耳かきで軽く刺激し
仕上げに梵天を使いながら息を吹きかけたり保湿クリームを塗ります。
この流れだけでも相当に専門店らしいサービスなのがわかっていただけるはずです。

しかもそれぞれに別の効果音をきちんと使っているのだから驚きです。
耳かき棒は「ポリポリ ズリッ」と乾いた軽い音
綿棒は「シャクシャク ジジッ」と耳かき棒に比べると音の面積が広く柔らかい音
耳垢水は「ちゅぴ きゅー」と軽く霧吹きするような音、などなど
どれを取っても音だけで何をしているかがなんとなくわかるくらいに洗練されています。

中でもやはり耳かき棒の音が個人的には最も優れているように思えます。
以前のサークルさんの耳かき音は割とパチパチした摩擦感のある音だったのですが
今作ではそれをかなり抑えたものへと変えられています。
しかし音に適度な引っ掛かりがあるため、耳の中を軽くくすぐられる感覚も味わえます。

…効果音の良さを文字で表現するのはなかなか難しいところなのですが
サークルさんが今まで出された作品の中でベストな耳かき音だと私は考えています。
大げさにせずより自然な音へと進化した、とでも言えばいいのでしょうか。
動かし方も全体的にストロークを短めにして集中攻撃するようにしてますし
様々な部分がよりリアル志向になっているなと。

「乾いた綿棒で 水分を拭き取って 馬の毛の耳かきで 耳の穴を刺激します」
サービスとして珍しいのは馬の毛の耳かきを使うシーン。
「ぷちぷち ぱらぱら」とほうきの毛先で軽く撫でられているかのような
かなり独特な音が使われています。
音のタイプからここが一番耳に刺激を感じやすいでしょうね。

最中の桔梗は前項でも軽く触れたようにほとんどしゃべりません。
サービス内容が切り替わるときに何を使って何をするかを言う程度です。
効果音だけが聞こえ続ける空間はとても静かで落ち着いており
聴いている最中に眠くなる人が続出するでしょう。
耳かきの最中に微かな吐息を漏らす演出があれば尚よかったです。



あまあまなアリスと元気な葵
続くアリスの基本メニューは2パート51分30秒ほど。
桔梗の時と同じく最初に背中のマッサージをしてから耳のケアをします。

「ふーん ふん ふん ふん ふん ふん ふーん」
しっとりしたキャラの桔梗に比べてアリスは明るい感じの女の子。
元々の声がとろけるように甘いのに加えて
サービス中に時折鼻歌を歌い始める可愛いシーンも登場します。

「それでは アロマオイルを背中全体に塗りながら マッサージをしていきまぁす」
サービスにおける大きな違いはマッサージパートでアロマオイルを使うこと。
海泥よりも水分控えめな効果音を同じようにスライドさせています。

それ以降、シャワーで洗い流すところから耳かきを終えるまでの部分は
基本的に桔梗との差はほとんどありません。
先ほど説明した内容のサービスを同じ手順で丁寧に行ってくれます。
ですからアリスのほうがよさそうに思う人はこちらから先に聴くのもいいでしょう。

ただし諸々の効果音まで同じものを使用しているわけではありません。
桔梗のものとは明らかに違う、全体的に若干トーンの高いものが使われています。
シロクマさんは以前の作品で耳かきの音をいくつか用意して
聴き手に自由に選んでもらうなんてこともやられてましたし
それと似たような狙いがあるように思われます。

「丁度いいから私の練習に付き合ってくれない? 何のって 耳かきに決まってるじゃない?」
最後に登場する葵のサービスは1パート20分。
右→左の順に耳かき棒と綿棒を使ってお掃除し、仕上げに梵天と息吹きをします。
前の2人の簡易バージョンみたいな内容です。

「私の耳かきの腕は一流だからねー」
「随分素直じゃない 私の耳かきの腕を ようやく認めたのね」

しかしサービスが簡素になったからといって2人に劣っているわけではありません。
彼女もセラピストを目指しているだけあってサービスの質は非常に高く
それに加えてトークを交えるシーンが増えています。
女性にサービスされている気分を味わいたいのならここが一番です。

このように、高品質な音をふんだんに使ったきめ細かいサービスが繰り広げられます。

後編へ続く…
添い寝カフェ『しろくまのしっぽ』 後編

CV:桔梗…伊ヶ崎綾香さん アリス…野上菜月さん 葵…柚萌さん
総時間 基本メニュー…2:04:51 指名メニュー…1:52:39 おまけ…20:38 合計…4:18:08



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