ひょーい!

サークル「すくりぷてっどこねくしょん」さんの催眠音声作品。

有料の18禁では「ラビットストラテジー」以来、実に1年半ぶりの新作となるこちらは
穏やかな声のお姉さんに憑依されながら2人で一緒に気持ちよくなります。

テーマに即した彼女との一体感が得られる催眠やエッチが繰り広げられるのが特徴で
時間をかけてじっくりとその声に対する抵抗感を削ぎ
さらにエッチに入っても入念に暗示を入れ続けて頭の中をトロトロにしてくれます。
老舗サークルさんらしい催眠を非常に重視した作りになっていますから
催眠特有の気持ちよさをたっぷりと味わうことができるでしょう。



体を持たない彼女と一緒に気持ちよくなる手段とは
謎のお姉さんに催眠をかけられ快感を共有するお話。

「ようこそ どうもどうも 今日あなたとご一緒させていただきます」
お姉さんはおっとり落ち着いた声の女性。
主人公の前に突如現れた彼女は、軽い挨拶を済ませると
2人が一緒に気持ちよくなるための準備を始めます。

本作品は催眠音声ではまだあまり見かけないバイノーラル録音が施されており
準備の段階でもヘッドホンやイヤホンを左右間違えずにつけているかを確認してきます。
そしてこの先の催眠とエッチでは要所で声の位置を前後左右に移動させながら
彼女との距離の近さを感じさせてくるシーンが随所に登場します。

「私とあなた 2人でいるとき専用(のパンツ) そう考えたら 穿いてるだけで大きくなっちゃうかも…ね」
またエッチをより楽しむためのアイテムとしてパンツを用意するようにも言われます。
この時も上のセリフのように2人でパンツを共有するような言い回しをするなど
本作品では2人の一体感を意識させるセリフが随所に登場します。

テーマの憑依に合致しているのはもちろん
純粋に催眠を円滑に進める意味でも有利に働くアプローチと言えるでしょう。

催眠はおよそ24分30秒。
仰向けに寝て目を瞑った状態で彼女が股間の上に乗り
その温かさや匂いをほんのり感じさせてから体の力を抜いていきます。

「力」「沈む」「抜ける」をやや強調しながら何度も語り掛けてくる彼女の声を聴いていると
何もしたくなくなるような心地よいだるさが
徐々に全身を覆っていくのが感じられるでしょう。

「肩が沈んでくると だんだん肩が楽になっていく 肩が楽になってくると 一緒に腕の力も抜けていることに気づきます」
単に「力が抜ける」を連呼するのではなく、他の感覚とリンクさせたり
あるいは誰にでもイメージできる具体的な例えを用いる、といったように
聴き手が嫌な感情を抱かないように気をつけながら
様々な方向から脱力感を伝えてくれるのがいいですね。

音声として聴いてて楽しいし、言われた通りの感覚もしっかり味わえる。
数々の名作を生み出してきたサークルさんの技術力の高さが光っています。
彼女の囁くような落ち着いた声にも心地よさを感じます。

「呼吸をするたび あなたの体はどんどん深くなってきます」
その後は最初は呼吸に、次は彼女の声に意識を向けながら深呼吸をします。
直前の脱力でかなりリラックスできていることもあって
体がぽかぽかと温かくなったり、頭がぼんやりする感覚が湧きあがってくるでしょう。

また彼女は同時に声を聴いていると幸せに感じる暗示も入れてくれます。
この先行うエッチは2人が一緒に気持ちよくなるのが大事。
催眠を進めながらそのための準備も並行して行ってくれるわけです。

「あとちょっと 心が落ちるだけで あなたはもう 私から離れられなくなる でもそれは とっても気持ちのいいこと」
そして最後は意識が沈む類の暗示にカウントを織り交ぜて
催眠状態を更に深いところへと持って行きます。
ここでは彼女が先ほどより声の位置を一気に近づけ、囁き声で語り掛けてくるのがポイント。
その言葉と声の力によって、頭がずーんと心地よい重さに侵されていくのが感じられました。

大まかな枠組みは古典催眠に近いのですが
催眠法にあまり頼らず感覚や印象を操作する暗示を主軸に据えている催眠です。
催眠の目的を心身を共有することに定め、そのために催眠が深まる暗示を入れながら
同時に彼女に対する親近感や、その声に対する心地よさを植え付けてきます。

催眠の進め方も型にはまっていなくて非常に個性的ですし
催眠特有の体が動かない感覚や意識がぼやける感覚が強烈に味わえます。
内容に興味があるのなら初心者でも大丈夫だと思います。



エッチをしながらさらに彼女の虜に
エッチシーンは37分ほど。
プレイは乳首オナニー、アナル責めです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「エッチな気分のまま エッチなとこ 触ろうね」
入念な催眠で主人公をその声の虜にしたお姉さんは
2人で一緒に気持ちよくなるため、まずは乳首をいじるように言います。

エッチは終始彼女の声に従う形で進められます。
しかしよくある催眠音声のように感度を上げながらプレイをするのとは少し違って
上記の行為をしながらさらに催眠状態を深めてくるのが大きな特徴です。

「乳首をひたすらゆっくり ゆっくりとこね回していくと まるで機械のように 指が快感を求め 動いていく」
最初の乳首オナニーは人差し指と親指を使うオーソドックスなスタイル。
普通に乳首をいじるわけですが、乳首開発済みの場合
軽く指を添えただけでも普段よりも大きな気持ちいい痺れが走るかもしれません。
少なくとも私はそうでした。

「ピクっと体が感じるたびに あなたの頭は真っ白になっていく」
しかも催眠を深めながらのプレイですから
体はピリピリ、頭はトロトロと別々の快感が同時に味わえます。
まさに催眠音声でしか味わえない面白い気持ちよさです。

「ほら アナルにエッチな棒が入ってるよ それは エッチな気持ちが大きいほど 太く硬く感じるの」
十分すぎるほど催眠を深めた後に行うアナル責めもとってもユニーク。
自分でお尻を掴んで広げ、彼女がエッチな棒を入れてくれます。
何も入っていないはずなのに何かが入っている異物感や異常な熱さ以外にも
最中に彼女が指を鳴らすたびにアナルがビクッと反応したのが驚きです。
彼女の声で心と体を操作されている気分を嫌と言うほど味わうでしょう。

このように、最近あまり見かけない催眠を非常に重視したエッチが繰り広げられます。



心も体も幸せになれる作品
全編に渡って重厚な催眠を施してくれる作品です。

催眠状態を深めながら声に良いイメージを持たせる催眠
さらに催眠を深めながら同時に気持ちよくしてくれるエッチと
何をするにも深化を必ず絡め、さらにその深化と状態維持に努め続けてくれます。

「催眠音声なんだから深化を絡めるのは当たり前」と言われればその通りなのですが
エッチに入ると催眠状態の維持をやや疎かにする作品をそれなりに見かける中
そのまったく逆を行く形でプレイを完成させているのは見事と言う他ありません。
おかげでずっと幸せな気分を感じながら体も気持ちよくなれました。
そして作品を聴き終えた今、すごく充実した気分でこの記事を書いています。

「私の声の力によって あなたの体は重さを感じたり すーっと心が深くなったり 頭がぼーっとしたりするかもしれないけど 全てはあなたが幸せになるために大事なことだから」
全編を通じて印象的だったのが、彼女は何らかの暗示を入れる際に
必ずと言っていいほど聴き手に対してそれを受け入れるメリットを提示していることです。

「言う通りにしてね」より「言う通りにすると気持ちよくなれますよ」と言ったほうが
なんとなく言う通りにすることに嫌な感じがしなくなるはずです。
そんな風に細かいレベルでも言葉を選びながら催眠を行ってくれるからこそ
やりやすさを感じ、催眠に入りやすくもなるのです。
様々な部分を本当に考えながら作ってくれています。

催眠は誘導完了時でもそれなりの深さにまで入れるのに
さらにさらに深くする念の入れようが丁寧できめ細かいです。
最後の方に差し掛かると何も考えられないほどまでに意識がぼやけます。
この感覚は是非多くの人に味わってほしいですね。

エッチは敢えてかなり内容を伏せました。
彼女がどのようにしてさらに催眠を深めるのか
冒頭でなぜパンツを用意したのかなどは内緒なほうがより楽しんでいただけるかなと。
特に前者はサークルさんのファンならニヤリとするシーンがあります。
絶頂シーンは乳首+アナル責めで1回、その後にもう1セットです。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

総合的に見て催眠重視の良作と判断しました。
催眠に入っていく感覚、入った後にもっと深くなる感覚
そして声に合わせて体が勝手に反応する不思議な感覚が存分に味わえます。
特に乳首の気持ちよさは未開発な人ほど顕著な変化が感じられるかもしれません。

以上を踏まえて本作品を当サイトでは10本目となる満点とさせていただきました。

CV:かの仔さん
総時間 1:10:08


オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

2021年3月18日追記
再レビューをアップしました。
http://doonroom.blog.jp/archives/85383496.html