かまいたがり彼女のちょいうざ耳かき

サークル「ドット*ハーフ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

全年齢では「ヒーリングサロンかすみ ~ヘッドスパ編~」以来8か月ぶりの新作となるこちらは
恋人に何かしてあげたくてたまらない世話好きな彼女が
耳かき・髭剃り・添い寝で日頃の疲れを取り除いてくれます。

前作と同様に効果音を意識的に多く鳴らす音フェチ向けの作りをしており
質感を重視したリアルな効果音がサービスの様子を鮮明に伝えてくれます。



マイペースでちょっぴりうざい彼女
彼女に3つのサービスをしてもらうお話。

「ねぇねぇねぇ 今暇そうにしてなかった?」
彼女は元気で可愛い声の女の子。
何かできないかと考えながら主人公をじーっと観察していたところ
恋人同士の営みとして彼に耳かきをしてあげることにします。

本作品は大きく3つのパートに分かれており
耳かき&耳マッサージ、髭剃り、添い寝をしながら2人が仲良くする姿を
効果音を上手に使いながら描いています。
過去に音フェチ向け作品を2本出されているだけあって効果音のレベルは比較的高く
サービスの最中は敢えてセリフを挟まず音だけを集中的に楽しませてくれます。

「よーしがんばるぞー …えっと ちょっと待ってね 耳かきセット取るから」
彼女は恋人として彼に常に何かをしてあげたいと願っている世話好きなキャラ。
膝枕をした後に道具を用意するちょっぴりおっちょこちょいなところもありますが
彼に初めて行う耳かきをとっても嬉しそうに、そして真剣に行います。

「ちょいうざ」と聞くと彼女役の月宮さんが別サークルで出演されている
うざ姉」シリーズを思い出す人がいるかもしれません。
しかし本作品の彼女はそこまで重度の構ってちゃんではなく
できるだけ一緒にいたいと願うちょっぴり寂しがり屋な女の子あたりに留まっています。

主人公が彼女を煙たがるシーンもありませんし
恋人同士らしいほのぼのあまあまな雰囲気のみを楽しむことができます。



やや拙さを感じる愛のこもった耳かき
一番最初に行われる耳かきと耳マッサージはおよそ20分。
右→左の順に耳かき棒と綿棒によるお掃除と耳吹きをしてから
最後に指を使って両耳を同時に揉みほぐします。
家庭向けのかなりオーソドックスな耳かきですね。

耳かき棒は「ズズー ジー」と尖りのある軽くて乾いた音
綿棒は「ジョリ ズリ」と耳かき棒に比べて柔らかく平べったい音が使われており
どちらも耳の壁をなぞるように下から上へ、あるいは逆方向に短いストロークを描きます。
音が力強く引っ掛かりがあるため耳に程よい刺激を与えてくれるでしょう。

全体的に効果音をやや散発的に鳴らしているのもポイント。
これによって彼女の耳かき初心者らしいたどたどしさを演出しています。
わざとミスるような痛いシーンはありませんし
彼女が自分のために一生懸命頑張ってくれている気分が味わえます。
その証拠に耳かき中の彼女はほとんどしゃべりません。

「大好きな人にくっついて こうやって耳かきできる幸せを教えてくれて ありがとね」
しかし後半の左耳をお掃除する頃になるとちょっぴり鼻歌を歌うようになったり
この瞬間に幸せを感じているセリフを言うなどややリラックスした様子が窺えます。
偽りの一切無い彼女の愛に満ちた姿が心をじんわりと温めてくれるでしょう。

「いや でも(髭剃りをやるのを)やめない ここでやめたらなんか 彼女として負けな気がする」
2番目の髭剃りは別の日の朝、洗面所にやってきた主人公のために
向かい合う体勢で剃刀を使って剃ってくれます。
時間が6分程度しかないので効果音を浴びるほど楽しめるわけでもないのですが
髭剃りらしいジョリっとしたざらつきのある音が心地よいです。

「好き好き好き好き だーい好き」
「今夜は 私がいっぱい出てくる夢が見られるといいね」

そして最後の添い寝シーンは2人で一つのベッドに入って眠りにつきます。
ここだけは効果音の無いセリフ中心のパートになってるおかげで
キスをせがんだり、あるものを数えてあげる彼女のちょっぴりうざい一面を拝めます。
安眠よりもリラックス効果を狙ったパートに思えます。

このように、効果音と彼女のキャラを上手に織り交ぜた物語が繰り広げられます。



シンプルにまとまっている作品
癒しの王道的なサービスを押さえつつ
ちょっと変わったサービスとキャラを加えている比較的スタンダードな作品です。

耳かきや髭剃りのサービスをきっちり行うことを第一に考えてありますから
普通の耳かき音声作品として十分に楽しむことができます。
それに彼女のやや変わったキャラを感じさせるセリフを適度に織り交ぜて
物語の雰囲気と2人の仲の良さを感じさせてくれます。
この両者の程よいバランス具合が作品としての個性を生み出しています。

「誰が何と言おうと 私にとってはイケメンなの」
そして彼女の真っ直ぐな愛の言葉が適度に胸に突き刺さりました。
彼女は良くも悪くもマイペースと言いますか、あまり回りくどい事は好みません。
だからこそその言葉には純粋に信頼できる重みがあります。

男女のやり取りというと相手を試すようなことを言う場合もあるのですが
そういった部分が一切無いから終始安心して聴くことができます。
リアルで疲れている人ほど心が洗われるのではないでしょうか。

最近ではある意味珍しいあまり捻った部分のない作品です。
サークルさんの過去作に比べるとやや大人しい作風なのですが
それでも値段に見合ったリラックス効果は十分に見込めます。
純粋に音を楽しみたい方や人恋しい方にお薦めします。

CV:月宮怜さん
総時間 38:49

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります