【田舎耳かき】道草屋 芹-ご連泊【ソルフェジオ音源】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

毎回様々な新要素を登場させて我々を驚かせてくれる「道草屋」シリーズ。
今回は連泊形式にすることで作品を大きく2つのシーンに分け
それぞれにまったく異なる雰囲気を持たせながら
夏が終わり秋が始まるこの時期をアットホームに表現しています。

過去作で好評だったリアルな効果音や環境音も健在。
それらに加えて今回はソルフェジオ周波数という特殊な音も投入し
従来よりも強力な癒しを与えてくれます。



いつもの耳かきにちょっと変わったエッセンスを
道草屋の店員「芹(せり)」から二日間に及ぶ癒しのサービスを受けるお話。

「はいはいはいはいはい すみません お部屋に不備が無いか 急に不安になりまして…」
芹はおっとりした穏やかな声の女性。
連泊の予約を取って来店した主人公をちょっぴり慌ただしそうに出迎えた彼女は
本当に連泊で合っているのかを再度確認しながらお部屋へと案内します。

本作品は過去作「【田舎耳かき】道草屋 すずしろ-縁側 【あまがみ】」と同様に
サービスを二日間に分け、一日目はマッサージや耳かきを中心とした王道的な癒しを
二日目は怪談や三味線での弾き語りによって別方向から心を解きほぐしてくれます。

過去作同様全編で鈴虫やセミの鳴く声が控えめなボリュームで常に鳴り続けますから
音声作品の弱点ともいえるセリフの無い時間にも意味が生まれ
実際に田舎に行ったかのような落ち着いた気分が味わえます。

また一日目に限り今回新要素としてソルフェジオ周波数が使われています。
調べたところ精神面にプラスの効果を与える音として讃美歌にも使われており
具体的には罪・トラウマ・恐怖からの解放やDNAの修復を行ってくれるそうです。
ネットで実際に聴いた感じだと音叉の音にかなり似ていました。

「まずはしっかり お汗を拭かせていただきますね」
一日目のサービスの最初は汗拭きと肩たたき。
背中や腕を布で拭ってから拳を使ってとんとんと叩き、その後寝かせて胸や首を拭きます。

汗拭きは「ソリ スー」と軽い乾いた音が使われており
拭く部位に応じて小まめに音の位置を変えながらゆっくりと動きます。
背中や腕を拭いている時は音が控えめに感じたのですが
右耳→顎→左耳とスライドするように首を拭うときはとても近くてリアルでした。

肩たたきについてもやや重みのある音が左右交互に鳴り響き
耳の後ろあたりを軽く叩かれているような感覚が味わえます。

「二の腕は 胸の柔らかさと同じ あれ嘘なんですよー」
またサービスとはまったく関係の無い話題を持ちかける芹のセリフにも癒しを感じます。
挿し絵を見るとクールで近づきがたい印象を受けるかもしれませんが
「二の腕と胸の柔らかさは明らかに違う」と力説するなど
実際はのほほんとした天然っぽいキャラをしています。

この後の耳かきでも「ビールはヱビスが好きだけどスーパードライも捨てがたい」と言いますし
あまり店員っぽさを感じさせないところが彼女の魅力の一つと言えます。
効果音の邪魔をしないように意識的に間を開けながら話しかけてくれるところもいいですね。

「外周から 失礼いたしますね」
メインのサービスとなる耳かきはおよそ31分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に軽く拭いてから耳かき棒で外側を中心にお掃除
その後綿棒に切り替えて細かい汚れを取り、最後に1回長めの息吹きをします。

耳拭きは「ぞわ ずり」と乾いたざらついた音
耳かき棒は「ポリ ショリ」と乾いた軽い音
綿棒は「ジュリッ ズリュッ」とややざらついた音が使われています。

音についてはどれも十分にリアルと言えるのですが
耳かき棒と綿棒は同じところを何度もほじくるような動きをしているため
耳全体を綺麗にされているという感覚はちょっと味わいにくいかもしれません。
しかし耳拭きは優しく撫でるようにゆっくりと前後に動かしていてとてもリアルです。

また芹に膝枕をされているのがよくわかるように
最中は耳かきをされていない側で時折布の擦れる音がするのもポイント。
細かい部分にもきちんと音を鳴らすことでサービスをよりリアルに演出しています。



ちょっぴり怖くて楽しいひと時
二日目は夕暮れ時に部屋へとやってきた芹が
怪談・耳舐め・三味線での弾き語りの3つのサービスを行ってくれます。
怪談はそういうコンセプトの作品があるのですが、三味線はちょっと聞いたことがありません。

「見知らぬ細い道 見知った細い道 散歩中なんかに なぜだか妙に 細い道が気になることが ございませんか?」
怪談は「戸を叩く音」と「はんぶん」の2つのお話。
どちらも道草屋にちなんで田舎の宿を舞台としており
思い切り怖がらせるのではなく、ちょっぴりゾッとさせるくらいの比較的ソフトなものです。

それでも「はんぶん」は登場する妖怪がアレな見た目をしていますので
イメージしてしまうと聴いた後の寝つきが悪くなるかもしれません。
芹の演技にかなり力が入っていてスリルは十分に味わえます。
詳しい内容については聴いてのお楽しみ、ということで。

「至れり尽くせり もう一つ よっ 三味線」
もう一つの新要素である三味線も披露する唄は2種類。
実際に演奏されて録られたのでしょう、非常にクリアでリアルな音色が楽しめます。
しかし三味線のボリュームが芹の声より大きい関係で
私には彼女の唄の歌詞をうまく聴き取ることができませんでした。
良いお声で唄われていただけに非常に残念です。


2014/9/20追記
三味線のボリュームを落とした音量調整版が追加されたため解決済みです。



無難な癒し系作品
サークルさんの売りである高品質な効果音や環境音で安定感を持たせながら
ちょっぴり変わった要素を加えて個性を生み出している作品です。

過去作で何度も言っていますが足音や着替えをする際の布の擦れる音
廊下を歩く際に床がきしむ音など、本当に細かい部分にまで効果音を用意し
さらにバックで昼はセミ、夜は鈴虫の声を鳴らして道草屋の雰囲気を出しています。

音声作品だと無音の時間が長いほど物足りなく感じるものなのですが
本作品ではそれすら演出として利用しながら物語を進めています。
桃色CODEさんはこういった音の使い方がずば抜けて優れているサークルさんです。

「右耳からー …こっち 左ですねー」
そしてメインキャラである芹にもきちんと個性を持たせ
彼女ならではのセリフで和やかな雰囲気を作り上げています。
しっかりしてそうに見えていてどこか抜けているところに魅力を感じました。
店員さんより近所のお姉さんに近い親しみの持てる女性と言えます。

一方新要素については詰めが甘いように思えます。
怪談はともかく三味線はかなり期待していただけに…うーん。
後日ボリュームを調節したバージョンが出てくれるといいのですが。


2014/9/20追記
音量が調節されたおかげで作品の風情に適した個性的な要素となりました。
時間も6分程度と短めで物語の脇を固める良い役割を果たしていると思います。

ソルフェジオ周波数の効果を実感できるかは人それぞれでしょう。
環境音が鳴り続けるおかげで音がカムフラージュされており
少なくともこの音が気になることはありません。
「鳴らしてるよ」と言われないとおそらく気づかないのではないでしょうか。
ヘミシンクのように音を前面に押し出して癒しを与えるタイプではないことにご注意ください。

いくつか首を捻る部分があったことから今回は以下の点数とさせていただきました。
過去に満点を2本出している関係で少し評価が辛くなっているのかもしれません。
ですが桃色CODEさんなら次回作以降できっと改善してくれると私は信じています。


2014/9/20追記
肌寒くなりつつあるこの時期を多彩な音で表現している作品です。

CV:雁庵うずめさん、餅よもぎさん
総時間 1:43:28(一日目…54:55 二日目…48:33)


オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
コスパで+1してあります。

あと作品説明文には特に書いてませんがバイノーラル録音と思われます。

2014/9/20追記
気になっていた部分が改善されたことを受けて点数を1点プラスし9点に変更しました。