すくりぷてっどこねくしょんさんで配布されている無料の催眠音声作品。

こちらは過去に公開された名作「第3弾」のリメイク作品です。
同サークルさんの作品の中でおそらく唯一ヘミシンク音を使用したものですから
過去に聴いたことのある人はよく覚えているのではないでしょうか。
今作でもあの不思議な効果音とまったく同じものが登場します。

内容は様々なタイプの催眠法で少しずつ確実に催眠状態を深めた後
男女両方の快感を味わわせるちょっと変わったエッチが繰り広げられます。



私の声は気持ちいい そうでしょ?
お姉さんの催眠で何度もイかされるお話。

「いらっしゃい あなたは今日の疲れを癒すために ここにやってきました」
お姉さんは可愛くて穏やかな声の女性。
軽く挨拶を済ませると、早速作品のキーポイントであるヘミシンク音を聴かせてくれます。

ヘミシンク音について簡単に説明すると
左右で別々の周波数の音を流して、その差にあたる数字へと徐々に脳波を誘導してくれます。
例えば右で100Hz、左で110Hzだと10Hzって感じです(人間のα波は8~13Hz)。

音の方は「ブォンブォン」と揺れるような音で
軽く頭の中が揺さぶられるような感覚を受けるでしょう。
そしてしばらく聴いているうちに何とも言えない心地よさを感じるはずです。
本作品ではこの音が断続的に流れて自然なリラックスを促してくれます。

催眠はおよそ30分間。
最初にヘミシンクに対して気持ちよさを感じる暗示を入れた後
一旦停止して深呼吸をしながら部屋の中の1点を見つめ続けます。
普通は寝て聴くでしょうから天井をじーっと見つめるのが一般的です。

「私の声が 頭の中に すーっと入っていきます」
事前に3分ほどヘミシンク音を聴いていたのもあって
頭がくらくらしたり瞼がとても重たく感じられるかもしれません。
そして目を閉じるのと同時に、意識がすーっと下りていくのがわかるでしょう。
聴き手の心が一気に緩む瞬間を見計らって
声に従いやすくなるように暗示を入れてくるところも見事です。

「私の言葉は すべてが真実 真実であるため あなたは 従いたくなります」
お次はヘミシンク音を鳴らしながら何度もカウントを刻んで
さらにお姉さんの声に対する依存度を高めていきます。

カウント中は流れ続けていた音が終了と同時にピタッと止み、彼女の追い込み暗示が入る。
音の鳴る/鳴らないのメリハリがはっきりとしていて
より暗示が効果的に心に刻み込まれるように感じられました。
この段階でまどろむような感覚が全身に漂っているのに気づく人もいるでしょう。

「天国って どんな世界か 知ってる?」
そして最後は森や天国をイメージしながら催眠状態をさらに深めます。
森では新鮮な空気を全身に取り込んで心身のリフレッシュを
天国は誰もがなんとなく抱いている楽園的、つまり幸せになる感覚を思い起こさせながら
何度もカウントを刻んで催眠を覚醒を繰り替えしていく丁寧な進め方です。

「天国」のセリフをトリガーにして催眠状態に入るのですが
言われるたびに体が反応して、特に頭ががくんと落ちる体験をする方がきっといるはずです。
私の場合は他にカウントに合わせて脹脛から下の部分が一気に重くなりました。

古典的な催眠法にヘミシンク音を取り入れた比較的オーソドックスなタイプの催眠です。
最近のすくりぷさんのスタイルとはかなり違うだけに、ちょっと不思議な印象を受けるでしょう。
しかし、型にはまっているぶん個々の役割が明確に定められており
段階的に催眠状態が深くなっていくのを聴き手側が実感しやすくなっています。

ヘミシンク音を取り入れていることもあって、聴き手的にはこの音に耳が行きがちですが
やはり最も大切なのは彼女の声であり暗示であることが伝わってきました。
彼女は何度も自分の声に対する気持ちよさ、心地よさを印象付け
そして指示に従えるように少しずつ聴き手の心を導いています。
あれだけ音を鳴らしながら、きちんと声を主役にしているバランス感覚が素晴らしいです。

内容や進め方がとてもわかりやすく初心者でも問題なくついていけるでしょう。
催眠的な諸々の感覚がかなり得やすい催眠と言えます。



天国にいるような心地よさ
エッチシーンは45分ほど。
プレイはアナルへのバイブ挿入、疑似SEX、女体化してのバイブ被挿入です。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「今からお尻の中に バイブが現れます アナルに何かが入っているような 違和感を感じるよ」
お姉さんの催眠で天国へとたどり着いた主人公は
今度は性的な快楽を受けることで別の意味での天国を味わいます。

エッチも引き続きヘミシンク音を適度に流しながら
彼女の様々な指示に従って快感を高めたりドライ絶頂を目指します。
プレイの内容を見ればわかるように、彼女とあれこれするわけではありません。

「じゃあ そろそろ おちんちんにも 被せちゃいましょうか? お・ま・ん・こ」
最初のプレイはおちんちんとアナルの同時責め。
アナルにはバイブを、おちんちんにはオナホではなくおまんこそのものを被せて
それぞれで別々の感覚に酔いしれながら性感を更に高めます。
ここでのおまんこは彼女のではなく、イメージが生み出したパーツ的なものなのでしょう。

物理的な刺激を一切与えないプレイでややハードルが高く感じるでしょうが
ここまでの催眠が入念で彼女の声に無意識が従いやすくなっていることと
彼女が終始的確な暗示を入れてくれることから
自然に股間が熱くなったりビクビク痙攣する感覚は割と味わいやすいです。
十分にドライ絶頂が狙えるシーンだと思います。

「ヒダヒダがとってもいやらしい マン汁がぬめぬめと光ってる」
彼女が声のイメージとかけ離れたやや下品な淫語を言ってくれるシーンもあって
特におちんちんの方にむずむず、きゅんきゅんした感覚が大いに得られました。

「バイブを動かせば動かすほど あなたは女の子の快感を得ることができるの」
対する後半は自分のおちんちんを先ほどのバイブに見立て
握っている手を自分のおまんこにして挿入される感覚を味わいます。
セルフっぽいスタイルなのですが射精指示などはありません。

プレイの内容的にややイメージ力が必要なことから
こちらの方がやや上級者向けと言えるでしょう。
明確な形での女体化(見た目や感覚を変化させる、等)を途中で行いませんし
内容がややぶっ飛んでいるこもあって、それなりの深さの催眠状態も要求されます。

そう考えると皆さんの催眠の資質や被暗示性が試されるプレイかもしれません。
前のプレイをメインに据えて、こちらは挑戦するような気持ちで聴いてみてください。
私の場合は会陰部あたりにドライオーガズムに似た快感が湧いてきました。

このように、催眠音声でしか味わえない奇抜で不思議なプレイが繰り広げられます。



幸せなひと時が送れる作品
暗示と効果音を上手に織り交ぜた特徴的な催眠が耳を惹く作品です。

ヘミシンク音を使う作品といえば、他だと「まどろみ世界」あたりが有名ですが
あちらのように常に音を流し続けるのではなく、暗示の威力を高める補助的な役割として
適度に流して適度に切るきめ細かな使い方がとても印象的でした。

これによって音が鳴っていない間は普段よりもより静かな感じがして
そこに聞こえてくるお姉さんの声により集中することができます。
もちろん音自体にもある程度リラックス効果が見込めますから
時間が経てば経つほどまどろむような感覚が強くなるでしょう。
両方の長所を上手く生かして、より催眠に入りやすくなるように作られています。

「この音は とっても気持ちがいい音です 気持ちがいいのは当たり前 そうでしょ?」
あとは「そうでしょ?」と聴き手に同意を求めてくるシーンがとても多いです。
これを繰り返すことで彼女との一体感が無意識的に得られるのと共に
彼女の言葉に従えるようになる姿勢が自然に形成されていきます。
あとは頷くことによる自己暗示的な意味合いも狙っているのかもしれません。

催眠はヘミシンク音に慣れさせるところから始まって
適度に疲れさせて自然なリラックスを促したり
わざと無音の時間を用意して気持ちよさを実感させたりと
一つ一つを非常に丁寧に、慎重に進めて聴き手を確実に催眠へと導いてくれます。
ヘミシンク音の効果もあって割と早い段階に催眠的な感覚が湧いてくるでしょう。
内容は古典的なのですが、被暗示性が低めの方でも楽しめると思います。

エッチは前半がかなりドライオーガズムを狙いやすいんじゃないかなと。
私も脳と股間に何かが突き刺さって、それが全身に広がるような感覚が得られました。
声にイかされる気持ちよさを是非体験してみてください。

一方後半は進め方も内容もそれなりに人を選びます。
どれくらい催眠状態が深まっているかによって随分と違いが出るでしょう。
ただ前半終了後に一度催眠をかけ直すシーンが挟んであって
万全の状態で臨むための準備はきちんと行ってくれます。
淫語そこそこ、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

「第3弾」のコンセプトや流れを継承しつつ、肉付きを良くして聴きやすくしたような作品です。
ノイズが大きくて旧作を敬遠していた人でもこちらなら大丈夫。
不思議な効果音に包まれて、夢の中にいるような心地よいひと時を味わってみてください。

CV:綾瀬桂吾さん
総時間 1:19:09

すくりぷてっどこねくしょん
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