耳かき研究部 入門編&文化祭

サークル「シロクマの嫁」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

同サークルさん2本目の有料全年齢向けとなるこちらの作品は
耳かきに異常なこだわりを持つちょっと変わった女の子が
耳かきだけでなくマッサージのサービスも行ってくれます。

今回も過去作同様効果音を重視した作りとなっており
耳かきに使う器具だけでなく耳質まで考慮した多彩な音の数々が耳を楽しませてくれます。



元小町の豊富な知識とテクニック
女の子に耳かきとマッサージをしてもらうお話。

「んじゃ まず説明しながら耳かきを始めていきます」
女の子は素朴で可愛い声の女の子。
耳かき研究部の新入部員である主人公に対して
早速実際に耳かきをしながら耳かきに関する知識を伝授します。

本作品はこの部活動の様子と文化祭で客としてサービスを受ける2つのシーンがあり
それぞれで耳かき及びマッサージに関する大量の効果音が登場します。
スタイルがガラリと変わるので別の作品を聴いているような気になるかもしれません。

耳かき音声はストレートに耳かき音で勝負する作品をはじめ
キャラの個性で勝負する作品、雰囲気を出すための環境音で勝負する作品と
今年に入って随分と多角化が進んできました。
その中でもシロクマさんは最初から音質にとにかくこだわって作られているサークルさんで
その知識と経験で作り上げられたリアルで立体的な効果音を今回も存分に楽しめます。

入門編最初の「うんちく耳かき」パートは最初に産毛取りのシェーバーをかけてから
耳かき棒→綿棒→梵天→息吹きの順に行う割とオーソドックスなタイプ。

シェーバーは「ジョリリリリ」と金属的な機械音
耳かき棒は「ソソリ ズリ」とやや乾いた軽い音
綿棒は「ススッ ズー」と若干ざらつきもある滑らかな音、といったように
それぞれに専用の音が用意されているのはもちろん
音の動かし方もとってもリアルで実際に耳かきをされている感覚に近いものが味わえます。

「これはですね おっきな耳垢を発掘したときとかに 耳の毛があると そいつが邪魔をして 戦利品を横取りしたりするんです」
そして耳かきを行いながら耳かきに関する薀蓄も教えてくれます。
このパートはとにかく女の子が喋り捲るように作られているので
どちらかというとこっちのほうがメインかもしれません。

「ホームセンターで売ってる 先の細いけど ギザギザのついてないやつは 結構掴みにくく つるつると滑ってしまいますので ちゃんと医療用を買ってください」
内容は耳かきに使う器具の実用性ランキングや彼女の好きな耳質について。
上のセリフを見ればわかるようにかなりマニアックな部分にまで及んでいます。
彼女が耳かきを心底愛しているのがひしひしと伝わってくるとても印象的なパートでした。

「今日の部活動は 二元耳かきを使いたいと思います」
続く「妖精通販」パートは打って変わって効果音重視。
前作「貴方のお部屋にお邪魔します!」に登場した妖精の名を借りた特殊な機械を使って
先程とは違ったタイプの耳かきをしてくれます。

ここでは器具だけでなく主人公の耳質も変化させているのが特徴です。
最初は乾燥質の耳から「ズズッ ジョリ」という音を立てて耳垢をはがしていたのが
途中から湿った耳に変化して「チリチリ ズイッ」とやや水っぽい音を鳴らすなど
短時間でかなり目まぐるしく効果音が切り替わります。

サークルさんの効果音の引き出しの多さがよくわかるシーンですね。
「耳質によってここまで音が変わるのか!」ととても感心しました。
女の子が一転して極端に無口になるため効果音だけを純粋に楽しめます。



4種の耳かき音をお好きにチョイス
「ようこそ耳かき研究部へ 本日は日頃の研究 活動を活かし お客様に最高のお時間をご提供させていただきます」
2番目の文化祭編は相手が他人なこともあって女の子はとても礼儀正しく
専門店に近いとてもきめ細かいサービスをしてくれます。
内容的に作品のメインになるのはこちらの方でしょう。

耳かきはおしぼりで耳を拭いてから産毛を剃り、耳かき棒で耳の手前→奥のお掃除
細いものと太いもの、2種類の綿棒を使って細かい汚れを落として耳垢水を注入
1回息吹きをして保湿クリームを塗る、ととんでもなく凝っています。

耳垢水…耳垢を柔らかくするお薬

先の2パートと同じ耳かきなのにまったく違った印象を受けることでしょう。
こうやって徐々に違ったタイプの耳かき音を投入していくスタイルは
他ではなかなか聴けるものではありません。
まさに音だけで個性を演出している珍しい作品と言えます。

また、これでも満足できない耳かき大好きな人のために
ノーマル、綿棒系、重め系、湿った耳の4つのテーマに沿った耳かきシーン
それぞれ10分とやや長めの時間で用意されています。

ノーマル…「ズリッ ズズ」と乾いた軽い音
綿棒系…「ススッ シュ」と若干ざらつきのある軽い音
重め系…「ゴリッ ズリ」と低く力強い音
湿った耳…「チリッ ツイッ」とやや尖ったじめじめした音

音の感じは簡単に言えば上の通りです。
それぞれの音に特徴があってまったく違った感覚を耳に与えてくれます。
耳かき音は耳質によっても随分と差が出るらしいですし
「今までの耳かき音はちょっと合わないなぁ」と思っていた人も
本作品を聴けばきっと満足していただけるはずです。

「今回の追加メニューは ヘッドスパです」
唯一耳かきをしないヘッドスパパートは髪の栄養素を含んだスプレーをかけたり
シャンプーで頭皮の汚れを落としてリンスでトリートメントする、といったもの。
ここでは「シャワ シャク」と小気味よく流れるシャンプー音が実に心地よく
とってもいい気分に浸ることができました。

このように、耳を中心にきめ細かくハイレベルな癒しを提供してくれます。



耳かきフェチに贈る作品
1つの作品の中に様々なバージョンを用意することで
耳かきに対するどんな要求にもこたえてくれる総合的な耳かき音声です。

当サイトで高得点をつけさせていただいている耳かき音声を聴いてみて
「うーん、なんだか思っていたのと違うなぁ」と思った方はきっといるはずです。
耳の構造は人によって違いがありますし
先天的・後天的な要因によって耳の質についても随分と違いが生まれるそうです。
だから人によって耳かき音の好み自体が大きく違ってくるのも事実です。

「じゃあいっそそれを想定して色々な音を用意すればいいじゃない」と考えて
作られたのがこの作品なのだと思います。
この中にはおそらく良いと思う音、そうでない音の両方が存在するでしょう。
でもこうやって聴き手が音を選択できること自体が画期的なんです。

シロクマさんは前々からそこに着目して耳かき音を複数バージョン作られていました。
それが本作品で一つの形になったわけです。
今後もおそらく似たような路線を貫いていかれるのでしょう。
効果音にこだわりを持つサークルさんならではの心遣いが感じられる作品です。

しかし耳かきのサービス以外、例えば女の子の説明が「元小町」だけだったり
耳かき研究部がどんなところで他にどんな部員がいるのか、普段はどんな活動をしているのか
といったキャラ・世界観・ストーリーの面がややパワー不足に感じました。
(聴き手側である程度想像できますが明確には語られていない、という意味です)

効果音とキャラの魅力がうまく噛みあえばもっともっと良い作品が生まれるはずです。
そういったボイスドラマ的な要素の強化にも期待しています。

新しい観点の元に作られた耳かき音声です。
自分がどういった音を好んでいるのかを見つけるのにきっと役立ってくれるでしょう。

おまけは耳舐め6種とシークレットトラックです。

CV:伊ヶ崎綾香さん
総時間 入門編…40:47 文化祭編…47:05 おまけ…20:26


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

2014/08/08追記
本作品は8月1日に「海の家シロクマ」編が追加されてバージョン2.0になりました。
そちらのレビューも別途行ってますのであわせてご覧ください。
耳かき研究部 入門編&文化祭ver2.0