サークル「催眠音声研究所」さんの無料の催眠音声作品。

こちらは以前紹介した同サークルさんの有料作品
ふぁんたんとチュチュしたい。 ver2.00 「悪魔と姉妹」」と同じ名前を持っていますが
同じなのは声優さんくらいで催眠もエッチもまったくの別物です。

内容のほうは催眠に入ってからお姉さんと濃厚なキスをします。
男女の愛情表現として大きな役割を持つこのプレイに暗示を上手く絡めることで
本物さながらの熱さや幸福感を感じさせてくれます。



緻密でわかりやすいイメージを辿りながら
お姉さんに催眠をかけてもらってからキスをするお話。

「これから あなたは気持ちのいい 催眠の世界へ落ちていきます」
お姉さんは可愛くて穏やかな声の女性。
早速事前に催眠に入る時、入った時の事を軽く語ってから
催眠に深く入るためにリラックスを促してきます。

催眠はおよそ18分間。
最初にカウントを刻むのと同時に入る脱力の暗示を聴いてから
自分が25mプールくらいの広さの空間にいるのをイメージします

「目の前に 本格的な舞台装置があります 右の方には 炎が燃えています 真ん中には 水が流れています」
催眠は主にこの空間の中を冒険するような形で進められます。
いわゆるイメージ誘導なのですが、聴き手が想像しやすいように
どのシーンもとてもわかりやすく、それでいてくどさを感じない描写をしてくれます。
炎・水・木と誰にでもイメージできるものを対象にしてますし
初心者はもちろん、イメージが苦手な方でも問題なくついていけるでしょう。

「炎を見ていると 気持ちいい とっても気持ちいいので しばらく炎を眺めることにしましょう」
イメージは暖炉→水の湧き出る泉→レモンの木と続き
炎は温かくて心地よい、水は額が涼しくなって気持ちいい
レモンは食べると酸っぱい、体の中に入った果汁がお腹で温かくなるなど
それぞれのシーンにマッチした感覚を引き起こしてくれます。

そして上で挙げた感覚はすべて催眠状態に入る際に体に起こる感覚と同じです。
彼女の声に従って色々と取り組んでいるうちに自然とリラックスし
並行してなんだか意識がぼんやりとしてくるのを感じることでしょう。

「暗闇の中で 軽い浮遊感を感じる 体がふわふわする」
最後はこれまた同じ空間内にある暗い場所で意識をさらに落としていきます。
カウントと同時に入れられる脱力の暗示を聞いていると
体が一気に重くなったような気がすると思います。
それはここまで辿ってきたいくつものイメージを通じて
無意識が彼女の声に従う姿勢を身につけたからです。

直前のレモンの木からここに移動する際に距離を模したカウントを行うのですが
私はその時点で頭がずーんと重くなるのを感じました。
暗闇という何もないところを終着点にしているのも
聴き手の頭の中を空っぽにしようとする意図があるからかもしれません。

イメージを中心としてリラックスと催眠の深化を同時に進めるようなスタイルの
催眠音声ではあまり見かけないタイプの催眠です。

お姉さんの柔らかく落ち着いた声の案内にただついていくだけで
心と体が勝手に彼女の言った通りの感覚を生み出すように生まれ変わります。
イメージを描写する際のセリフの表現方法や言い回し、間など
すべてが聴き手のことを思いやっていてとても聴きやすく感じました。

「すぐに 催眠の世界に落ちていってもいいですし ゆっくりと 催眠の世界に落ちていってもいいです いつ落ちるかは あなたの自由です」
一番最初に上のセリフを言うことで
さらりと聴き手に催眠に入る準備をさせているのもポイント。
これによってより催眠に入りやすい環境を整えてくれています。
(なぜそういう効果があるかについては話すと長くなるので省略させていただきます)

誰にでも聴ける万人向けの催眠と言えるでしょう。



お姉さんとのあまあまなキス
エッチシーンは36分ほど。
プレイはキスとオナニーです。

エッチな効果音はありません。
セルフはありになります。

「キス そう キス あなたと私は キスをする約束をしました」
お姉さんの力で深い深い催眠状態へと入った主人公は
彼女の部屋に場所を変えて約束通りキスをします。

エッチはキスが26分、オナニー10分とびっくりするほどキスに傾倒しています。
しかも同時におっぱいを揉んだりすることもなく純粋にキスだけを楽しみます。
タイトル通り本当にふぁんさんとちゅっちゅするための作品ですね。

キスシーンの最初の10分ほどは事前の準備として
彼女が台所で紅茶を用意している間、唇にリップクリームを塗ったり
舌を絡ませたときの事を考えてその練習のようなことをします。

「右の歯茎から 左の歯茎へ 前歯から喉の奥へ ジグザグに動く」
具体的に舌をどのように動かせばいいか細かく指示してくれますから
その通りにやって期待と興奮を一緒に高めていきましょう。
個人的な憶測なのですが、これは自分の舌を彼女の舌に模して
キスシーンでの感覚を実感できるようにしたかったのだと思います。

「舌の粘膜が絡み合うと 火が灯ったように熱くなる」
そして2人で紅茶を飲み終えた後ようやく唇を重ねます。
軽く触れ合うソフトなものから始まって唇同士をぴったりと重ね合わせたり
舌を絡めたり、突き出した舌を唇で舐られたりと様々なタイプのキスをしながら
同時に入る感覚支配の暗示でその感触をたっぷりと味わいます。

催眠音声としては珍しくキスの際にちゅぱ音が多めに入るのも特徴で
この甘くエッチな音が自然と心を盛り上げてくれるでしょう。
プレイの客観描写・暗示・ちゅぱ音と3つの要素を混在させていながら
そのバランスを均等に保っている
のが見事と言う他ありません。

「体中が熱くなる 気持ちいい」
最後はカウントを刻んで2人同時にドライ絶頂を目指します。
キスによる絶頂なので股間が熱くなるとかよりは幸福感に包まれる感じでしょうか。
後でセルフパートもありますしここで絶頂できなくても問題はありません。
ただ体がぽわっと温かくなったり意識が盛り上がる感覚はある程度味わえると思います。

「ほら握っててあげるから 自分で動かしてごらん 見ててあげる」
続くオナニーは彼女におちんちんを握ってもらった後
その上に自分の手を重ねてしごきます。
彼女の手をオナホ代わりに使うなかなか珍しいプレイですね。
ここはキスシーンとは打って変わってボイスドラマ色が強く
彼女は暗示をほぼ入れずに普通に話しかける感じで接してきます。

このように、キスを主観的に体験しやすいこだわりのあるエッチが楽しめます。



隅から隅まで丁寧な作品
催眠でもエッチでも描写のきめ細かさが印象に残った作品です。

表現のほとんどが聴き手視点で行われているため
お姉さんの言葉すべてを自分のこととして容易に捉えられます。
そんなやりやすさが自然と声への親しみやすさを生み出し
結果的に彼女の催眠を受け入れやすい空気を作り出しています。

作品を聴いている間は普段よりもずっとリラックスできていました。
安心感を与えてくれるわかりやすいイメージの数々と
お姉さんの流れるような話し方がどちらも耳に心地よく
文字と音の両方が持つ統一された温かさが心と体を徐々に癒してくれます。

肝心のキスについては雰囲気づくりがすごく重視されていて
開始前に与えられる十分すぎるほどの時間が緊張感とワクワク感を与えてくれました。
実際のプレイは基本的に彼女がリードしてくれますし
聴き手は本当に得られる感覚だけに集中することができます。
聴いていると意識がとろんとしたり顔が熱くなるのではないでしょうか。
暗示の入れ方も丁寧でどう感じればいいのかが手に取るようにわかります。

その後のオナニーは完全におまけ的な位置づけでしょう。
一気に催眠らしさが消えているので
純粋に彼女とのイチャラブっぷりを楽しめばいいのだと思います。
暗示はほとんどありませんがプレイの様子がとてもわかりやすいですし
催眠もまだ解除されていないので体が勝手に何らかの反応を示すかもしれません。
ちゅぱ音多め、淫語そこそこ、喘ぎ声ごく僅かです。

催眠もエッチも個性的な面白みに溢れた作品です。
有料版のように双子形式ではありませんが十分に優れたものを持っています。
時間も手ごろですし無料ですから是非一度お試しください。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 59:20

催眠音声研究所
http://saimin.x.fc2.com/soft.html
(ページ最下部「ふぁんたんとチュチュしたい。 Ver1.03」が本作品です)