ご耳愛部!

サークル「藤和工場」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

本作品は学校の旧校舎を舞台に明るい女の子が耳をたっぷり癒してくれます。
女の子のキャラはもちろん、物語の雰囲気作りにもとても力が入れられており
様々な効果音が聴き手の心を落ち着けてくれます。

耳かきは若干専門性を出して器具を使い分けたり
耳の洗浄やマッサージまでしてくれます。
彼女の心のこもったサービスと肌の温もりを感じていると
心と体の力が自然と抜けていくのを感じることでしょう。



疲れたあなたをご耳愛します
ご耳愛部の部長「紬愛莉(つむぎあいり)」に耳を癒してもらうお話。

「ようこそ ご耳愛部へ! あら どうして自分がここへ来たか わかってない顔ね」
愛莉は元気で温かい声の女の子。
先生から呼び出しを受けて学校の旧校舎へとやってきた主人公に
まずはご耳愛部についての簡単な説明をしてくれます。

旧校舎の緑豊かな様子を聴き手に最大限に味わってもらうために
物語の全編で環境音が流れ続けるのが本作品最大の特徴です。
具体的には木々が風に揺れる音、数種類の小鳥のさえずる声
そして部屋に置かれている時計が時を刻む音。
これらが煩わしさを感じさせない程度の抑えた音量で自然に流れ続けます。

環境音は催眠音声で時折使われていて純粋に心を落ち着ける効果があります。
作中ではわざと冒頭に数秒間を取ってそちらに意識を向けさせたり
耳かき中はセリフを減らして耳かき音と環境音の両方を楽しめるように作られているため
無音の時よりもずっと心がリフレッシュするのを感じるはずです。

先月発売された「安眠店 道草屋 はこべら」と似たコンセプトの作品ですから
そちらが好きな人なら本作品もきっと満足できるでしょう。

「じゃあ ちょっとひやっと すーっとするけど 我慢よ」
耳かきシーンは4パート29分間。
本格的に耳かきを始める前に、愛莉は洗浄液に浸したパフで耳を綺麗にしてくれます。
「スイー スッスッ」ととても滑らかな音が使われており
それが適度にストロークの長さやペースを変化させながら流れ続けます。

今回は膝枕ではなくベッドに横になった状態で行うため
拭かれている側の耳ではその効果音を、反対側では環境音を楽しめるのがいいですね。
昨年は耳かき=膝枕が定番になっていましたが
今年に入ってこういうタイプの作品が増えてきて耳かき音声自体の変化も感じられます。



お耳と心の汚れをスッキリ
耳かきは最初耳かき棒で右→左の順にお掃除してから綿棒で細かい汚れを落とします。
綿棒をあらかじめ洗浄液に浸すなど専門店に近いタイプの耳かきです。

耳かき棒は「ボリボリ ジョリリ」と乾いた軽い音
綿棒は「ザッザッ ジョリジョリ」とざらついた音が使われており
いずれもゆっくりと小さく動かしながら耳に刺激を与えてくれます。
ゴリッではなくザリッとした音でやや好みが分かれるかもしれません。

個人的にはもう少し大きく動かしてくれた方が耳かきらしいと思うのですが
器具によって効果音を別々に用意している点はとても良いです。
ややリアルさに欠けるものの雰囲気の感じられる耳かきと言えます。

「どうして って 君は私を見てたい派でしょ? 私がいる 私が 君の耳かきしてるって ちゃんと感じてほしいしね」
また耳かき中は愛莉がきちんとこちらの視界に入るように移動してくれたり
シーンによっては覆いかぶさるような体勢になって肌を密着させてきます。
全年齢向けなのでエッチな表現はもちろんありませんが
こういうちょっとしたスキンシップには心温まるものを感じます。

「このオイルはね 私が配合したものなの 100%食べられるものだから 安心して」
肌の密着具合が最高潮に達するのが一番最後のオイルマッサージ。
ここでは手で縫った体に優しいオイルを彼女が舌で舐め取ってくれます。
いわゆる耳舐めなのですがきちんと目的を与えた自然な流れがいいですね。
ちゅぱ音は本当に舐め取るような吸い付く音で水分少な目なため
エロさはそこまでないものの密着感は大いに感じられるでしょう。

このように、やや専門的な心のこもった耳かきが味わえます。



雰囲気を大事にしている作品
全編を通じて流れ続ける環境音に大きな癒しを感じる作品です。

実録されたとのことで音がとてもとてもリアル。
正直この音だけでも十分にリラックス効果が得られます。
ただ単にループさせるのではなくて音の鳴らすタイミングも考えられていますし
実際に森の中にいるような感覚をかなり得やすいと言えます。
時計の音もその場の静寂感を見事に演出しています。

耳かきに関する音については好みがあるため断言はできませんが
私はもう少しリアルさが欲しいなと思いました。
ただマッサージ音はかなりレベルが高いです。
洗浄液は塗り伸ばすために直線的に、オイルは肌に染み込ませるように円を描いて擦っています。
こういう素材とか用途によって音を使い分けている作品はそこまで多くありません。

「君が辛くなった時 癒しを求める時 また 迎えに行くわ」
愛莉は耳かきに入ると本当に真剣に取り組んでくれます。
専門店系の作品に比べて肌の密着するシーンが多いのは
彼女がそうしたほうがやりやすいからで、決して狙っているわけではありません。
でも女性の温もりや匂いを感じて心満たされる男性はきっと多いはず。
だから結果的に彼女の行為は別方向からの癒し効果を生み出しています。

耳かきだけでなくその場の雰囲気にもこだわっている作品です。
耳かき音声は昨年から100本以上作品が出ていることもあって
サークルさんが各々工夫を凝らして独自性を打ち出そうとしている動きがみられます。
今後本作品のような環境音を重視した作品が流行るのかもしれません。
そういった業界の推移が垣間見える点でも興味深い作品と言えます。

おまけはさくら真咲さんのフリートークです。

CV:さくら真咲さん
総時間 本編…37:58 フリートーク…2:34


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります