【箱庭耳かき】安眠店 道草屋  はこべら【耳舐め】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

道草屋4番目の女の子が登場するこちらの作品は
お店の様子を十二分に楽しんでもらうための雰囲気づくりに力が入れられています。
無駄に多くを語らずある程度を効果音による演出に任せているおかげで
まるでその場にいるかのような臨場感を味わうことができます。

メインとなる耳かきも耳かき音のみに頼るのではなく
女の子の声や環境音を上手に織り交ぜて道草屋らしさを作り出しています。

今回はシリーズを初めて聴く人向けの初来店バージョンでのレビューをお送りします。
他には冒頭のセリフが若干違った常連さんバージョンが存在します。



春の夜の雰囲気を効果 音で演出
道草屋の店員「はこべら」に耳かきをしてもらうお話。

「このあたりは 似たような景色ばかりで 目印もなくて わかりにくいですからね」
はこべらはゆっくりと話すしっとりとした声の女の子。
道草屋に初めて来店する主人公を最寄りのバス停まで迎えに来た彼女は
ちょっとしたお話をしながらお店への道案内をしてくれます。

本作品は現実逃避をテーマに掲げており
片田舎にある道草屋の様子を聴き手に最大限に楽しんでもらうために
諸々の効果音に非常に力を入れているのが特徴です。

冒頭で聞こえるバスのエンジン音も音のリアルさに加えてきちんと位置が移動しますし
道を歩く際の足音もただ音をループさせるのではなく時折リズムが変わったり
お店の庭に差し掛かると土から草を踏み分けるような音に切り替わるなど
サークルさんがその場の雰囲気づくりに心を砕いておられるのがよくわかります。

その中でも今回は特に環境音に力を入れています。
風のそよぐ音や虫の鳴く声などいずれも静かな春の夜にぴったりな心が落ち着くものばかり。
これらを聴いているだけでも十分にリラックス効果が得られると言えます。

「穏やかな 思い出の水底にたゆたうような 安らかなお眠りを提供できるよう 尽くさせていただきますので 今夜は よろしくお願いいたします」
はこべらは一言で言えば幻想的な雰囲気を持った女の子で
やや古めかしい語句を含んだセリフを意識的に区切りながらゆっくりと話します。

ちょっとした小説を朗読するかのようにぽつりぽつりと紡がれる彼女の言葉には美しさがあり
これが作品の幻想的な雰囲気をさらに高めているように思えました。
効果音とキャラの2つの要素によって作品の世界をうまく作り上げています。



寝落ちしそうになるほど安らかな耳 かき
耳かきは左右合わせて24分ほど。
膝枕ではなく一緒の布団で添い寝をするような体勢で
最初は竹の耳かき棒、次に生薬入りの洗浄液に浸した綿棒を使って行います。
そして一番最後に弱めの風圧で2回息を吹きかけてくれます。

耳かき棒は「ぽりぽり しょり」と乾いた軽い音
綿棒は「ぞぞー しゅぐっ」とややざらついた引っ掛かりを感じる音が使われており
前者は耳かきらしく一定の方向性を持ったストロークで
後者は位置を固定したまま回転させるような動きで耳にそこそこの刺激を与えてくれます。

また今回はわざと窓を開け放った状態で耳かきを行うため
耳かき音と環境音を同時に楽しめるのがポイント。
2つの違ったタイプの癒される音の相乗効果でとても心落ち着く空間が生み出されています。
膝枕ではなく添い寝のスタイルを取った理由は
耳かきをしていない側の耳で環境音を聴いてほしかったからだと私は考えています。

耳かきシーンでの主役はもちろん耳かき音ですから
環境音は添え物として一回り抑えた音量で流れ続けます。
だから環境音が邪魔で耳かき音を楽しめないようなことにはまずならないでしょう。

「うっすら差し込む月明かり お耳を照らす ほのかな光 それだけで 部屋全体が ぼんやりと おぼろげになる輪郭は 昔見上げた天井の かすんだ記憶と入りまじり 小さい頃 豆球のもとで寝た頃のような お部屋を満たす 季節の香りは 疲れた心を寝かしつけて 時にはこうして 狭いお部屋で 季節の音色を聞きながら うとうととまどろむのも 乙なものでしょう?」
耳かき中ははこべらが適度に話しかけてくれます。
静かな春の夜を思わせる風情のあるお話を聴いていると
そのまま寝入ってしまいたくなるような強烈な眠気に襲われると思います。
私は聴いている間中眠くて仕方ありませんでした。

「これ どなたさまにも することでは ないのですよ」
耳かき以外では耳を甘噛みするサービスがあります。
ゆっくりとしたペースで聞こえてくるややこりっとした音は
エロさはそこまでないもののしっとりとした品があります。
こちらも作風に沿った聴き手を癒すための行為ですね。

このように、様々な要素を効果的に組み合わせた雰囲気重視の耳かきが楽しめます。



今の主流とは違った方向性を持つ作品
耳かきをしている空間及び雰囲気を聴き手に楽しんでもらうことを重視した作品です。

今の耳かき音声はとにかく耳かき音の品質を良くして
最中は女の子をあまりしゃべらせずに効果音に集中してもらうのがトレンドなのですが
本作品は耳かき音とはこべらのセリフをほぼ同格の位置に置き
それらから少し下がる感じで環境音を聞かせるバランス型です。

作品を聴いてみると耳かき中もはこべらは結構しゃべります。
でもびっくりするほど間が長いおかげでそこまで邪魔に感じません。
話す内容も春の夜の情景を描いたものが多く
言ってしまえば聞き流しても問題ないようなものが多いです。

そして聴いているうちに耳かき音と声が交互に聞こえる不思議なリズムに
とてもとても心落ち着くものを感じました。
これが他の耳かき音声とは違った本作品ならではの部分だと思います。

あとは環境音が常に流れているおかげで無音に意味が生まれています。
耳かき音や声が流れていない時間にも道草屋にいる感覚を味わい続けられます。
環境音自身が癒しの効果を持っていることもあって
多くの方が心身が解れるのをきっと実感できるでしょう。

耳かき音は前作「【耳かき】耳かき安眠店 道草屋 すずな【甘がみ】」から比べると
かなりパワーアップしました。
しかし最近発売された「ささやき彼女 冬子」あたりと比べるとまだ物足りなく感じます。
耳かき以外の効果音はもう十分にトップクラスなのであとは本当にここだけです。

物語の世界に感情移入しやすい作品です。
最近精神的に追い詰められて熟睡できないような方にとっては
きっと良い効果を発揮してくれると思います。

CV:藤村咲樹さん
総時間 初来店…55:02 差分…11:49


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


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