【立体音響】安深催眠 -楓編-

サークル「Eryps」さんの全年齢向け催眠音声作品。

Erypsさんは主に耳かき音声を作られているサークルさんで
催眠音声の方は初になります。
このところ一気に増えたおかげで、若干把握し切れていないところもありますが
サークルさんが増えてくれるのはありがたいことです。

本作品はエロ無しのため、催眠にかけて眠らせるところまでとなっています。
時間のほぼすべてを催眠に使うことができるおかげで
事前に準備運動があるなど、かなり丁寧に進められているのが特徴です。

催眠状態で絶頂を迎える(特にドライ)のは気持ちいいですが
ぽわぽわとした心地よい感覚に長く浸るのも催眠の楽しみ方の一つです。
本作品は催眠状態でいることの醍醐味を十分に味わえる作品と言えます。



ちょっぴり変わったリラクゼーションスポット
催眠サロンの店員である楓に催眠をかけてもらうお話。

「いらっしゃいませお客様 催眠サロンへようこそ」
楓はのんびりとした可愛い声の女の子。
催眠サロンは名前の通り催眠をかけてぐっすり眠らせてくれる場所で
彼女は催眠をよく知らない主人公のために、軽く催眠状態を味わってもらうことにします。

催眠はほぼ全編にあたる4パート39分30秒。
まずは催眠に入りやすくするための準備運動を行います。

「体のメカニズムを利用して 理性や緊張を弱め 想像力や無意識を表に出して
催眠術師の暗示を 聞き入れやすくするのが 催眠の力なんです」

楓は声や容姿とは裏腹に深い催眠知識を持っているようで
催眠をかけている最中にちょっとした豆知識を交えたりしながら
非常にゆっくりと、わかりやすく進めてくれます。
初心者を意識した良い作りと言えるでしょう。

「首を前に曲げる どんどん曲げる お腹を見るように曲げる
できるところまで頑張って曲げる」

運動は目を左右に動かしたり首を曲げたりします。
特に首の運動は心身の疲れを取るのに最適ですからしっかりと行いましょう。
楓が声を使って運動を上手に後押ししてくれます。

催眠開始から10分後、ここからようやく本格的な催眠が始まります。

「あなたは今 ぐっすりと眠れるベッドがあることで有名な
高級ホテルのエレベーターの前にいます」

まずはホテルのベッドに向かうために
エレベーターを5階ごとに上っていくのをイメージします。
ここでも目の開閉や軽い首の運動を交えたやや動くタイプで
階が上がっていけばいくほど、目を開けるのが辛くなってくるでしょう。
自覚の有無は別としてこのあたりから催眠状態になっていきます。

「深呼吸をするたびに ふかーく ふかーく 沈んでいきます」
ベッドに到着したところでようやく深呼吸と脱力が始まります。

ここまで入念に準備をしてきたおかげで
人によってはベッドに力を吸い取られていくような感覚が味わえるかもしれません。
この時楓は囁くような声で特にセリフの間を開けて話してきますから
頭の方もとろんと溶けていくような気分に侵されていくでしょう。



体が動かせなくなる感覚
後半の2パートはイメージを中心に進められています。

「右手が握りこまれる がっしりと右手が握りこまれる 私の手に包まれて握りこまれる」
体験版でも聴くことができる「イメージ」パートでは
楓に両手を握られているのをイメージしていきます。
若干表現を変えながら「握りこまれる」を繰り返す丁寧な暗示が背中を押します。

「さぁ 右手を開いてみて もう 開くことはできません」
ここでは禁止暗示という面白い暗示が登場します。

聴き手に「開かない」と何度も暗示をかけた後、敢えて一度動かすように指示して
そこですかさず「開かない」と再び暗示をかける。
聴き手がその部位に意識を向けているからこそ
最後の暗示が強く伝わって本当に動かせなくなる方もいます。

これは対面催眠だと使われることもあるそうですが
催眠音声では私は過去に一度も聴いたことがありません。
かなり珍しいと言えるでしょう。
(対面催眠…術者と被験者が実際に会って行う催眠)

「深く ふかーく 催眠状態に入る 眠るように深く どこまでも深く 沈んでいく」
そして最後のパートでようやく主人公は眠りにつきます。

ここでは部屋の環境を極端に変えることで疲労を誘っているように思えます。
心と体が疲れれば、誰でも自然に眠くなる。
今まで様々なものを積み上げてきた末に行うイメージだからこそ効果は大きく
まるで泥のように眠ることができます。



一般的な催眠音声とはスタイルの違う面白い作品
扱う手法や表現方法が一般的な催眠音声より対面催眠に近いです。
催眠音声の経験があればあるほど、この作品の持つ「違い」に気づくはず。

ここまでの記事を読んでいただければわかるように
時間が40分以上ある割には、あまり多くの事をやるわけでもありません。
声の担当がふぁんさんということで、催眠をかなり意識した声と話し方にしており
その結果楓の話すペースが非常にゆっくりだったり、間を多く取っています。
声の抑揚を適度に抑えていたり、語気を弱めにしたりと
聴き手のことをよく考えた素晴らしい演技だと思います。

禁止暗示については珍しいのでピックアップしてみましたが
私個人は本作品においては効果がイマイチと考えています。
禁止暗示をかける際の間をもっと短くして
口調ももっと畳みかけるようにしないと効果は薄いのではないかなと。

元々催眠音声にはやや不向きな暗示に思えますし
これについては次回作以降どう取り入れてくるかに期待しています。

あと、バイノーラル録音の作品ではありますが
ヒプノマルチボイス」のように声を頻繁に左右に動かすわけではなく
楓が立ち位置を変えるのに合わせて声が動きます。
バイノーラルを使って催眠にかけていくタイプではありません。

総合的に見た場合、リラックス効果や安眠効果は十分にあると思います。
エロを一切考えなくていい分、聴き手が落ち着いて聴けるのは大きいです。
時間的にも丁度いい長さですし、寝る前などに聴くと熟睡できるでしょう。
初心者が聴いても大丈夫。

体験版は「イメージ」パートの音声と全編の台本が入っています。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 43:53


オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

追記
新規1作目として見れば完成度は高い方だと思います。
禁止暗示をかけた直後にきちんと解除しているのも好印象でした。

ただErypsさんの催眠音声に対する正式な評価は
4作品目あたりでさせていただきたいと考えています。
判断材料が少ないというよりは、私の憶測が当たっているかを確認するためです。
憶測の内容は現時点では伏せさせてください。
催眠音声を実際に作られている方がスクリプトを読めばわかるかも。