おやすみ。~優しい姉との甘い夜~

サークル「Atelier Honey*」さんの同人音声作品。
同サークルさんが2番目に発売した作品になります。

野上菜月さんと言えば今やバイノーラル音声で有名な声優さんですが
今回は敢えてバイノーラルではない作品を選ばせていただきました。
私個人もこの手の野上さんの作品を聴くのは初めてです。
去年までバイノーラルは本当にレアだったんですけどね…
この1年の間によくここまで普及したなぁと。

本作品はお姉ちゃんと一緒のベッドに寝るひと時の様子が描かれています。
弟を甘やかすキャラが定番となっているいつものお姉ちゃんと違って
この作品では寂しい気持ちを打ち明けたり、自分から抱き着いたりと
ちょっぴり子供っぽい可愛いキャラとなっています。

でもエッチの時はしっかりとお世話してくれますから
お姉ちゃんに甘えたい人、逆に甘えられたい人両方に適した作品と言えるでしょう。



なんだか放っておけないお姉ちゃん
お姉ちゃんと一緒のベッドで話をしたりエッチな事をするお話。

「もう寝ちゃったかと思ってたんだけど 一応来てみたの」
奈月お姉ちゃんは聴いているだけでホッとするような、柔らかい声の女性。
2人とももう大人に近い年齢のようですが
久々に一緒に寝たくなって主人公の部屋へとやってきました。

本作品のお姉ちゃんは、全編を通じて言葉を細かく区切りながら話しかけてきます。
これによって普段より無音となる時間が多めに生まれ
夜の寝る時間にふさわしい静かな雰囲気を演出しています。
聴く側としても心を落ち着けて聴けるのがいいですね。

「もうちょっと くっついてもいい? だって 隙間があると寒いでしょ?」
また、お姉ちゃんは寂しがりやなのか時折このようなセリフを漏らします。
音声作品のお姉ちゃんは「任せなさい」的なキャラが多いだけに
こういう弱さを見せて甘えてくるお姉ちゃんは新鮮に感じました。
年上の女性が甘えてくるというのも、男としては結構嬉しいのではないかなと。

本作品は大きく2つのパートに分かれており
最初の「らぶらぶねんねパート」は非エロで癒しを
その後の「とろとろふぇらパート」はエッチを担当しています。

「ふにふにってしてるでしょ? これが お姉ちゃんの形」
非エロといっても作り自体はかなりエッチを意識しており
お姉ちゃんとぎゅっと抱き合ったり、おっぱいを背中に押し付けられたり
おっぱいに顔をうずめたりと、弱いながらも性的興奮をうながしてきます。
だから非エロよりは微エロと言ったほうがいいかもしれません。

「あっそうだ お姉ちゃんが耳掃除してあげよっか?」
癒しの面では綿棒を使って耳かきをしてくれます。
「ポリ ショリ」とやや硬い音が使われており、音自体はリアルなほうだと思うのですが
両耳合わせても3分程度と非常に時間が短いため、やや物足りなく感じました。
あくまでおまけといったところでしょうか。



3種のちゅぱ 音を織り交ぜた下品なフェラ
エッチシーンはおよそ26分。
プレイは耳舐め、手コキ、フェラ、玉舐めとなっています。
エッチな効果音はありません。

「太ももにね 当たってるわよ あったかいの 熱いの 熱くて硬いの」
お姉ちゃんの柔らかさと温かさに包まれて興奮した主人公を鎮めるために
主にお口を使ってたっぷりとお世話をしてくれます。

エッチは耳舐め6分30秒、フェラ12分30秒、玉舐め3分30秒と舐めを重視しているため
ちゅぱ音を思う存分楽しめるのが特徴です。
あまりハードな雰囲気を出さないように、ペースは全体的にゆっくりになっています。

ちゅぱ音だけを聞かせていく場合、どうしてもマンネリになるのがネックです。
その点を考慮して、耳舐めは吐息を多くすることで声の近さを感じさせたり
フェラは意識的に唾音を鳴らして搾り取るようなイメージを持たせたりと
色々と工夫されている様子がうかがえます。

ちゅぱ音もただ似たようなものを鳴らすのではなくて
「ぢゆっー っぱ」と唇の裏側を使った一般的な音
「ひた ぴた」と舌が肌を撫でる際に出るかすかな水音
「ぴぶぶぶぶぶ っぱ」と唇の間で唾液を震わせて出す音と
3種類の音を複合的に鳴らすことで、聴き手を飽きさせないようにしています。
実際どんな音なのかは体験版でご確認ください。

「熱くて おっきくなってる あなたの おちんちん」
もちろんちゅぱ音だけではなく、淫語でも盛り上げてくれます。
声は非エロパートと同じ柔らかさですから
その声と下品なちゅぱ音とのギャップが際立っていて、そこにエロスを感じました。

あからさまに淫語を連発するようなタイプではなくて
要所で口に出すことで適度に煽っていく感じでしょうか。
お姉ちゃんは淫乱にはほど遠いキャラですし、ほどよい淫語の量だと思います。

このように、甘い雰囲気を保ちながらも
下品なちゅぱ音できっちり抜かせてくれるエッチが聴けます。
絶頂回数は1回です。



ちゅぱ音好きにはたまらない作品
メインのエッチシーンにおける唾液音がとても優れています。

激しく責め上げるようながっついた音ではなくて
柔らかく包み込んでゆっくり絞り上げるようなねっとりとした音です。
敢えてペースを遅くすることで徐々に感度を高めて
最後に気持ちのいい射精をさせようというお姉ちゃんの思いやりが感じられます。

「寂しいから 手 繋いでてもいい?」
その一方で女性として男をしっかりと頼ってくれる。
2人の絆の深さが感じられることで、射精時の心の満足感を高めてくれます。
強いお姉ちゃんも別に嫌いではないのですが
こういう「守ってあげたい」と思えるお姉ちゃんのほうが私は好きです。
(あくまで音声作品の中での話です。リアルは別で…)

「野上さんと言えばバイノーラル」
こう思っている方は多いと思います。
私もそうでした。

でもバイノーラルなんてなくても十分心に伝わるし、しっかり抜ける。
そんな割と当たり前な事を再確認させてくれた、非常に良い作品でした。
ちゅぱ音大量、淫語それなり、喘ぎ声少々です。

おまけは野上さんによるフリートークです。

CV:野上菜月さん
総時間 本編…50:33 おまけ…8:02


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
今回この作品を選ばせていただいた理由の一つに
「バイノーラル録音をされている声優さんの作品は、いつも音ばかり着目している」
こんなレビューの幅の狭さを感じて、一旦離れてみようと思ったのがあります。

実際そうしてみると、野上さんはちゅぱ音が面白いのがよくわかりました。
いつも「声に臨場感がある。声の熱を感じる。」ばかり書いていたので
こういう違った長所を発見できたのは収穫です。

機会があれば声優さんの新たな良さを発見できるような作品を
今後も少しずつ発掘していければと思っています。