Listenable pharmacyさんで配布されている、無料の催眠音声作品。
一般的には「処方箋」の呼び名のほうが有名かもしれません。

本作品はうまく催眠にかかれない方のために
催眠にかかりやすくするためのトレーニングをしてくれます。
そういった内容ですから、エッチな表現は一切ありません。

本当にお手本と言えるくらい基本に忠実で
リラックス→催眠→深化の流れを時間をかけて丁寧に行ってくれます。
古典催眠系の作品としてはこれ以上ないほどにわかりやすく
誰が聴いても問題ない内容と言えるでしょう。



一つずつ順を追いながらかけるわかりやすい催眠
お姉さんに催眠のトレーニングをしてもらうお話。

「催眠状態 トランス状態というのは 本来誰でも入っていくことができる精神状態です」
お姉さんは丁寧な言葉遣いをする、やや甘い声の女性。
催眠状態になかなか入れない主人公に催眠をかけるために
まずは簡単な被暗示性のテストをしてくれます。

このテストはお姉さんの示すものから湧くイメージを頭に描きます。
別にお姉さんの言うとおりにならなかったとしても、気にする必要はありません。

催眠はメインパートのすべてに当たる41分間。
最初は下準備ということで、お馴染みの深呼吸と脱力を行います。

「息を吐くときに 今日あった嫌な事 忘れたいことを 漠然と吐き出しましょう」
「まるで空気が抜けたように つま先から力が流れ出ていきます」

上は深呼吸、下は脱力の際に言われるセリフですが
それぞれの行程では必ず何らかのイメージを持ちながら行うことになります。
これによって、ただ行うよりもずっと効果的にリラックスすることができるでしょう。

そして、リラックスして頭がぼーっとしてくると
体のあちこちに温かさを感じることになります。
他にも手足がとても重たくなったり、ピリピリしたりする方もいます。
そういった症状を感じ取ることができたら
もう半ば催眠状態に入っているのと同然です。

力が抜けると頭と体がぼーっとしてくる。
ぼーっとしてくると気持ちいい。
気持ちいいと温かくなる。
温かいと幸せ。

このような一連の流れを、聴き手が掴み取りやすいように作られています。
だからあまり催眠音声に慣れていない方でも
頭や体にちょっとした変化を感じ取りやすいのではないでしょうか。



「落ちる」感覚を少しずつ染み込ませていこう
「では これから2人で あなたの心の深いところ
ずーっと深いところに 降りて行ってみましょう」

催眠状態にある程度入った後は、それをより深くしていきます。
お姉さんと手を取り合って階段を下りながら
自分の意識が沈んでいくのを感じてみてください。

この階段を降りる表現は催眠音声でよく使われています。

なぜ使われるのか、論理的に説明することはできませんが
感覚的にどちらも「降りる」ものであるため、イメージをリンクさせやすいことと
階段を降りる際、足が宙に浮いて段を踏むまでの間に頭に受ける感覚が
催眠に入っていく感覚に似ているからだと私は考えています。
よく言う「すーっと落ちる」というやつですね。

「私さえいれば 何も怖いことはありません 私がいれば」
やや足元の暗い中を、2人で手を繋いで降りていく様子を思い描いてみてください。
階段を降り切るまでに10分ほどの長い時間が取られています。
ここでゆっくり、じっくりと「落ちる」感覚を養っていきましょう。

私の場合、頭はややぼんやりしたという程度でしたが
足の裏が床に張り付いたように動かなくなりました。
催眠によってもたらされる変化は人それぞれですが
そういった日常生活ではあまり巡り会えない感覚を
割とあっさり体験できるのが催眠の面白いところです。

催眠に入るための練習はここまでで
最後はスムーズに催眠状態に戻るための練習を行います。

カウントダウンで覚醒、その後カウントアップで催眠
これを何度か繰り返すことで、その状態に移行するのに体を慣れさせます。
といってもそこまで瞬時に切り替えられる人はそうそういませんから
今は頭の中でそういった感覚を抱くだけで十分です。

催眠に移行する際、私は延髄のあたりを
上から下へ何かが通っていく感覚を覚えました。
そういう感覚を育てていくことが、催眠にかかりやすくなることなのだと思います。



催眠音声の教科書のような作品
一言で言うと名作です。

催眠トレーニングの名の通り
全編が聴き手に非常にわかりやすく、かつ丁寧に進められています。
進めている最中の説明も小まめに行ってくれますから
何をやればいいのかわからない状況に陥る可能性はかなり低いでしょう。
聴いていてすごくやりやすいのがよくわかります。

催眠状態にするだけではなく、この作品を聴いた後のことも考えて
最後に催眠に入る感覚を何度も練習させるのがいいですね。
ここまでしっかりと導いてくれる作品はそうそうありませんから
聴き手がきっかけを感覚で掴んでおくことは、とても大切だと思います。

処方箋の名は伊達じゃありません。
催眠に悩んでいるすべての人にとって、この作品はまさに「良薬」に値します。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 47:06

Listenable pharmacy
http://www.nct9.ne.jp/d3online/
(画面左側一番上の「Powerful Drug」が本作品です)

追記
もしこの作品でも催眠状態にならなかった場合は
現代催眠風」を聴くことをお薦めします。
スタイルはかなり違いますが、非暗示性の低い方でもかかれる催眠です。


2018年10月7日追記
再レビューをアップしました。
http://doonroom.blog.jp/archives/77476467.html